先日、仙台の丸善に仕事関係の参考書を探しに行ったついでに、昨年の10月末に出版された「岳人備忘録」を衝動買いした。
この本は月刊『岳人』に連載され、好評だった「30の質問」「備忘録 語り残しておきたいことども」を、一冊にまとめたものです。
最年少31歳(横山勝丘)から最年長89歳(穂刈貞雄)まで、アルパインクライマー、山小屋経営、ハードフリー、山岳写真家、ガイド、高所登山家、出版者、翻訳家・・・その他多種多様・ありとあらゆる「ヤマ」に関係するキーパーソンがそれぞれの持論を多岐に渡るトピックに向けて多角的に展開する、非常に興味深い一冊。
都合で山に行けなかった鬱憤ばらしのつもりだったが、P495もある分厚い本でも読み出したら止まらなくなり、二日間で一気に読み切ってしまった。最近めったに山の本など買ったことがないが、この本は日本の登山界を代表する方々の回顧録のみならず、登山は偉大な文化だと教えられるような価値のある本だと思います。
今やアルパインクライミングやヒマラヤなどは遠い過去の話ですが、読んでいると30年前の現役だった頃の世界に引き戻されたようで実に感慨深く、また懐かしい気分で楽しかった。自分と比べれば余りにもレベルの違いはあるが・・・。
【本書に登場する岳人】 掲載順
山野井泰史、岩崎元郎、菊地敏之、坂下直枝、近藤等、平山ユージ、尾形好雄、小山田大、遠藤由加、南裏健康、高桑信一、木本哲、竹内洋岳、山田哲哉、馬目弘仁、海津正彦、室井由美子、若林岩雄、江本悠滋、黒田誠、加藤慶信、横山勝丘、近藤邦彦、池田常道、国井治、山森欣一、柳澤昭夫、松本龍雄、上田茂春、西尾寿一、佐伯邦夫、川村晴一、三宅修、古川純一、飛田和夫、重廣恒夫、穂苅貞雄、横田正利、森谷重二朗、馬場保男、山本一夫、中西健夫、八木原圀明、黒川惠、寺沢玲子、鈴木昇己、横山厚夫