東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

鬱陶しい蔵王西面の密林

2006年01月31日 | 林業
               水引入道の密林地帯を行く

 最近は蔵王周辺のワンパターン山行が続いている。この時期あまり好天の期待が出来ない蔵王連邦は2回に1回くらいは敗退が当たり前で、ギブアップしてスキー場のレストハウスの片隅でカンビールを呑んでいるなどという日もたまに有る。その点今シーズンの年明け以降は意外と好天に恵まれ、今年になってからは2勝1敗とまあ調子は良い。

しかしいつも思うのだがこの蔵王連邦下部の密林は何なのか?これさえ無ければ山スキーはもっと快適で、もっと大々的に全国的に売り出しても良いと思うのだが。蔵王連邦の西面は標高800~1200mの辺りでは意外と積雪は少なく、潅木が雪に覆われる事もあまり無くて鬱陶しい事とが原因だ。しかしかつて植林されたカラ松林が点在している事も関連がある様だ。

最近、林業に従事する知人に聞いた話によると、以前ブナ林が伐採された後標高の低いところでは多量の杉の木が植林されたが、標高の高い所にはカラ松が植林された。しかしこのカラ松は30年以上は経っていると思われるが細く、ひどく貧弱で建築の用材にはなりそうも無い代物。それはそのはずで、北海道、長野辺りのカラ松と違って植林されてからはまったく手入れがなされず、そのまま放置されている。

その理由はカラ松が最初から商品価値を期待されず、最初から放置される運命にあったのだ。つまり、戦後の植林事業の拡大から多くの補助金が交付され、とにかく植えれば植えるほど潤うという時代が有り、杉、檜、カラ松が無計画に植林されていった。今となってはその無計画なツケが廻って来て、手入れのされない杉林だらけになってしまい、スギ花粉問題と絡んで今や社会問題化している。

実はこのカラマツは単なるリリーフの存在で、植林されてからまもなくは元気が良いが、下層林のミズナラやブナが次第に成長して来ると精力を失い、やがて50年もすると枯れてしまって広葉樹に明け渡す存在なのである。つまりカラ松は痩せた土地でこそ成長するが、ミズナラやブナの葉っぱが堆積して土地が肥えてくると、彼らに負けて成長が止まりやがて枯れて行くのである。

人間様にとってはまったく手がかからず、補助金目当ての伐採計画にはもってこいの方法だったのかも知れない。今から思えばこの位の標高では豊かなブナ林を残して欲しかったが、今となっては山スキーヤーにも嫌われる鬱陶しい存在でしかない。


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金沢 早川先生のコメント

2006年01月27日 | 雪崩

                小朝日岳から大朝日岳へ

は3年ほど前から山スキーMLに参加させてもらっていますが、皆さんの最新の山行記録といろんなコメントが投稿されており、大変興味深く参考にさせてもらっています。

その中で昨年11月に投稿された金沢の開業医、早川先生の次の様なのコメントが有ります。当たり前といえばそうですがそこが大事な事と考え、短いながら本質を突いたポイントと思い引用させて頂きます。
早川先生は山スキーヤーの中では大変著名な方で、かなりハードな日帰り山行を実践する、豊富な経験と技術、体力ともに抜きん出た方です。
私は幸いにも山スキーでは雪崩に巻き込まれた経験はなく、実際その時機敏に対応できるかどうかは別ですが、早川先生の記録では時々このような場面に遭遇し、実際雪崩から逃れることが出来ているようです。


【早川先生のサイト】

「YASUHIROのマウンテンワールド」

http://w2222.nsk.ne.jp/~turu/

【投稿コメント】

こんにちは三浦さん 早川@金沢です。
いつも先鋭的な滑降記録楽しみに拝見させて頂いています。

このたび危ない場面でしたね。折角の問いかけですので三浦さんに対しておこがましい気もしますが僕が普段考えている雪崩対策について少し触れてみます。
過去の登山史を見ても明らかなようにどれだけ優れた登山家もほとんどが雪が原因で命を落としています。雪だけはどれだけ深く考えてもどうしても勝てない人の予想を遙かに超えた自然現象だと思います。これがまず大前提です。

ここ最近深沢君とコンビを組むことがほとんどですがパウダーを楽しめるような斜面では正直いつ雪崩れてもおかしくないと考えています。だから事前の弱層テストなどは少しの参考程度でそれほど大きく重視していません。それよりもどこを滑る場合でもここで雪崩れる可能性はあるかも知れないという大前提に立ってもしここで雪崩れたらどう回避するかと言うことをいつも考えて滑っています。

だから二人で斜面に入る場合はまず絶対一緒に入らない。たとえば深沢君が先に斜面に入るなら常に僕は上で監視しています。滑っている間は上からの雪崩には無警戒ですから声の届く範囲で緊急事態が伝わるようにしています。先に滑るものは常に安全地帯まで滑って、上から雪崩れても回避できる場所で待避して次に上から滑るものを監視します。だから滑る場合は大体交互に行くことになります。

このように互いに厳しく監視しあって万が一雪崩れてもすぐに逃げられる体勢をとって万が一の時もすぐに救助できるようにしています。だからガスで視界が悪い時は特に注意して互いが監視できる視野の場所までしか滑らないようにしています。

また上に人がいる場合は雪崩の原因になる可能性がありますので特に気を付けるべきだったと思います。厳冬期に山で人にあうことはまず無いですが。

過去にこの監視システムで何度も危機を逃れることができました。滑りも大切ですが互いを監視しあって絶対二人が一緒に流されないように最前の注意を払っていますす。雪にいったん埋まると自力での脱出はまず不可能ですから。

この場所で雪崩れた場合どう回避するかと言うことを常に考えながら行動する。これが僕たちの基本的なスタンスです。それからビーコンを付けておくことは大切ですがその次の段階の蘇生術をきちんと実践でマスターしておかなければまず埋もれた仲間を救うことはできません。これはかなり重要な要素だと考えます。浄土山の死亡事故の場合20分で救助したとのことですが蘇生術が正しくなされたかどうかとても気になりました。

まあパウダーを楽しみに山に入る場合常に雪崩と表裏一体の関係になりますからそこのところをよく考えてきちんとしたパートナーと行動することは大切だと最近強く感じるようになりました。以前は単独メインでしたが。単独の場合はまた違う行動パターンがありますがここでは敢えて触れません。

あまり参考にならないかも知れませんが一言感想を述べました。

コメント (1)
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南蔵王 水引入道

2006年01月23日 | 山スキー
              南屏風コガ沢はご機嫌斜めの様子


 南蔵王に水引入道と言うという一風変わった名前のピークがある。北屏風山の南側に派生する尾根で途中で馬の神の尾根と別れ神嶺林道に達している。
IEで調べてみると次のように書かれている。

●水引入道の名前の由来5月頃のコガ沢付近の残雪が、頭巾をかぶった僧侶の姿に似ていることから、この雪形を「水引き入道」、別名「種まき坊主」と呼んで、白石の人々は農作業の目安にしてきたそうだ。(かよわい女性でも楽しめるアウトドアとランニングさんのHPより)
春先の田んぼに水を引き、稲のもみを蒔く時期がこの雪形のサインの出る頃だったという意味だろう。


おそらく白石市又は大河原町辺りから残雪期にその姿が見られ、それを知らせる雪形の名残だったのだろう。同じ名前は飯豊連邦の何処かにも有るそうで、東北各地にこの様な行方の名前が付けられていたのだろう。

 
               
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今からどうなる?

2006年01月21日 | その他
      古寺山から中岳、西朝日岳方面 主稜線には巨大な雪庇が

昨日久しぶりに知人に有ったらどうも顔色が冴えない。その訳は今散々叩かれているライブドアの株価が下がったからで、今となっては売却も諦めて再び上昇する事を祈って待つのみの心境の模様。私は株券を持ったことも触った事も無い株とは無縁の暮らしだが、損失を被った方にはこれがリスク負担の現実ですとしか言いようが無い。
何時も思うのだが、プロの投資家でも大きな損失を出すのに、個人の投資家がひとり勝ちして大もうけするなどと言う事は考えられない。パチンコと一緒で最初は一時的にいい思いをするが、やがてはその財布からお札がどんどん出て行くばかり。
今の日本は規制緩和が錦の御旗のように、アメリカナイズされたやり方、価値観が強引に持ち込まれて社会は混沌としている。確かにグローバルスタンダードなどと言って大きな利益を手にした人もいる一方、厳しい競争に敗れて会社、財産、地位、最後は命まで失った方は少なくない。
これが資本主義真の姿だと言えばそれまでだが、行過ぎた金融投機、買収などはギャンブルをゲーム化した様でどうも納得が行かない。それまでコツコツ会社を築いてきた人はまったく報われないし、非情の社会が蔓延しそうでどこかおかしい。

さし当たって私にはまったく無関係なのだが、しかし一つだけ気になる事がある。HPのサーバーをライブドアにお願いしているので、今後どうなるのか気になるのだ。もしもの場合は既に予備として取っておいた別サーバーに切り替えが可能だが、今まで散々お世話になっていたライブドアさんから、まるで夜逃げ同然の様にしてサヨナラするのも如何なものか。
とりあえずライブドアからのコメントによると、当面は何とかなるようで安心の様です。しかし今回の事件はごく一部の人間が引き起こしたもので、殆ど大多数の善良な社員は無関係であり、何も知らなかった社員、関連会社は被害者とも言える。
ここは是非社員の方々で踏ん張って頂き、永く存続するように希望します。
宜しく頼みます。

※それにしても今日は絶好のパウダー日和。ただ指をくわえて仙台市内から屏風の姿を眺めていました。
明日は大荒れか?

【ライブドアからのコメント】

ポータルサイト「livedoor」は、月間約1400万人のユーザーの皆様からご来訪を、約300社の広告主からのご出稿を頂いており、既に法人としての株式会社ライブドアからは独立した「公共性」を有していると考えます。当社は、上記の認識に立ち、今後も、メディアとしての「中立性」「独立性」を最大限に確保しながら、ポータルサイト「livedoor」の運営を継続してまいります。

ポータルサイト「livedoor」の運営、サービスの提供については、一切の問題はございません。100万人を超えるユーザーの皆様にご利用を頂いている「livedoor Blog」をはじめ、ポータルサイト「livedoor」の各種サービスをご利用頂いているユーザーの皆様には、ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げるとともに、今後も変わらぬ、より一層のご愛顧をお願い申し上げます。


     
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一家に1台

2006年01月15日 | 田舎の話

今年の大雪は北陸、上越を初め多大に被害をもたらしている。ここ東北も例外ではなく私の実家(山形県 南陽市)の集落もすっかり雪に埋もれた状態。山形市内でも80cmほどの積雪があった言うが、国道13号線から4km程山手に入った当地は150cm近い積雪の有様。
3年前、6年前も同じ位の積雪を見たがそれは最盛期の2月の話。今頃こんな積雪は生まれてこのかた見たことがないとうちの年寄りは言っていた。
全国各地に中山間地の過疎化が急激に進み、この辺でも年寄りの夫婦世帯が多くなり、周りでは平均年齢70~85歳位が標準となっている。そうなると雪下ろしは大きな負担となり、どうしても機械力に頼らざるを得ないようになる。トラクターにバケットのアタッチメントを取り付けたり、小型の中古パワーシャベルを買ったりしている人もいるが、あまり家が建っていない当地ではロータリー除雪機が一般的である。
しかしホームセンターなどにおいてある除雪機などではパワー不足で使い物にならず、自分の所ではロータリー幅100cm、デーゼルエンジン仕様を使っている。屋根から落下した様な硬くて重い雪を飛ばすために、はどうしてもこの位の仕様でないと困る。最近は近所のうちでも最近殆ど購入しており、一家に1台の必需品となっているようだ。
この集落でも2日前雪下ろしの作業中に屋根から落下し、頭を打って病院に収容された人がいた。新聞紙上には出ない多くの負傷者が入るのではないかと思っています。


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GPSのお世話

2006年01月13日 | 山スキー
今回、蔵王の山越えで初めてGPSを本番で使用してみた。なるほど困ってしまった時の神頼みとしては実に強力な武器となり、電池切れ、故障などさえなければ確実にコースを辿る事が出来る。限られた時間に確実に帰ってこなければならない人にとっては、必須のアイテムともなるかも知れない。
事実我々もまったく視界が利かない場面ではすっかりGPSだよりで、無駄な時間を浪費することなく確実に帰れるメリットは大きい。

しかし山スキーの面白さ、奥深さと言う点では何か緊張感が薄れ、地形を読んだりコースを探したりする本来のゲーム的な要素は少なくなる。通常は地図、コンパスそれと高度計があればあまり困ることはないので、最初からGPS頼みとするのは何が充実感が薄れるような気がして疑問が残る。目的としてではなく最後の手段として活用してこそ意味があり、自分の力で解決するのが本来の姿とも感じる。

かつて30年以上前の話だが「ボルト論争」と言うのが有った。クラックのない壁にボルトの連打で強引に突破するやり方で、私もかつてはボルトのお世話になった当事者だが、その後フリークライミングへと通じる新しい価値観の変化が現れた。
まあ、そんなに大げさな話ではないだろうが、つまりは各自の価値観、スタイルの違いによって目的が異なってくるということで、他人に同じ事を強いることもナンセンス。
しかし今後自信過剰のスキーヤーが巷に溢れて来るのも困る。
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alpineski blog 再度の開設

2006年01月08日 | 山スキー
正月山行のドサクサですっかりブログ再開設をすっかり忘れていました。
アクセスしていただいた方には申し訳ありませんでした。

日常の出来事などを交えながらのんびりやっていきたいと思っています。
宜しくお願いします。
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