昨年の11月から始まった間伐作業の様子を見に行ってみた。現場まで1時間ほど歩いて辿り着いてみると伐採作業は完了して8割くらい搬出も完了していた。
今年は雪が少なくて作業がはかどった様で、機械化された作業はどんどん進んで次々に木材が搬出されていった。かつては、立木を1本づつワイヤーで引っ張っていた頃と比べると隔世の感が有り、今やこれが当たり前の林業という事になるようだ。
ただ、機械力に依存するための弊害もある訳で、新しく作った作業道がすっかり荒れてしまい、雨が降ると路盤が流されたり崩れりする可能性も出てくる。しっかり補修してもらう事にはなっているが、何処まで遣ってくれるかはこれからの交渉にもよるだろう。それと、今後は自分の手による作業道の整備が必要になってくる。
搬出された杉の木の最も太いものは末口(細い方の直径)が44・0cmも有り、色も良く年輪を数えてみると120年位にはなりそうな立派な杉の木で、雪国独特の細かい年輪を重ねて立派な柾目の板が取れそうな良い木だった。中には建材にならないものが有って合板用に廻され、それ以下の木はバイオマス発電の材料となる。しかし、共に値段は建材用と比べると遥かに安く、バイオマス用の木は持ち込みで軽トラック1台分で1500~2000円で緯度と思われる。
全体的な構図からすると伐採・搬出にかかる費用が多くの部分を占め、60~100年かけて苦労しながら育てた立木生産者には僅かな金しか残らないというのが現実です。まあ、大半の方はすっかり諦めて放置しているのが普通ですが、先代が残した山を見捨てるのは忍びなく、多少の補助金にすがってやっている訳です。
【関連サイト】 東北アルパインスキー日誌