雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

遠州の遺跡・寺社26 天竜区の光明寺と光明山古墳

2010年08月20日 05時12分48秒 | 遠州古代史
遠州の遺跡・寺社26 天竜区の光明寺と光明山古墳

 「遠州の遺跡・寺社25 天竜区の光明山古墳を暑いなか…」で書いた光明山古墳のすぐ北側の階段を上っていくと、光明寺の境内です。

 目の前に、大きな「大黒堂」があって、まさしく金色のお顔の巨大な「大黒様」がニコニコして座っていらっしゃいました。
 どうみても、藤子不二雄さん(どっちか忘れました)のマンガの主人公です。いま、あのおじさんの名前が出てきません。年ですねえ。思い出したら、加筆します。

 やはり山伏さんや修験道とも関係する山岳寺院なのでしょうね。
 右に(東に)ある社務所でN子さんが何か買っているので、ぼくも行って、聞いてみました。
 「上の方にあるあの寺院はなんですか?」
 「ああ、あそこが、ここのご本尊さまの摩利支天さまですよ」
 「へえ、でもこの暑さじゃ、登っていくのはきついですね」
 「そうですね、ぜひ涼しい季節においでください」
 「はあい、秋になったらまたきますね」

 その摩利支天さまですが、かなり複雑な性格のようで、調査研究します。

 今日書きたいのは、その光明寺と光明山古墳の関係です。
 つまり、光明寺へ登っていく階段を望む位置に、なぜ光明山古墳があるのでしょうか。しかも、光明山古墳は、南北方向なので、被葬者の豪族の遺体は南北向きに寝かせられたとみるのが妥当な線でしょう。
 光明山古墳に埋葬されている5世紀の天竜の支配者・族長と、光明寺の関係が問題なのですが、古墳とお寺とどっちが先であるにしろ、古墳に埋葬された支配者(男女かは不明)が、死後に神仏に参拝するとすると、ちょうどいい位置に階段があって、ということになります。
 ふつう、考古学者と宗教学者を兼ねる人は、たぶん、いないので、こんな話を書く人も少ないかなと思いますが。
 
 ぼくは、やはり、光明山古墳の被葬者(浜松市内で最大の古墳を築いた本人)が死後も神仏に参拝することを想定して、光明山古墳と光明寺の位置が決まったのだと思います。

 もちろん、光明寺はむかしはもっと奥の「光明山」にあったり、という歴史がありますが、基本線は変わらないと思います。

 もう一つ、同じような実例をあげておくと、東区の羽鳥八幡神社と蛭子森古墳です。
 同じように、南北向きの羽鳥八幡神社の参道を延長すると、道の向かいの蛭子森古墳につきあたります。
 しかも、円墳ですが、遺体の向きは南北向きです。
 
 寺社と古墳の関係で、これほど明確ではないですが、近接して同一地内にあると解釈できるのが、浜北の六所神社と興覚寺後古墳、中区の蜆塚遺跡の蜆塚古墳と山神社です。
 六所神社は南向きで興覚寺後古墳は東西、蜆塚古墳は円墳で山神社は東向きということで、その意味はもうすこし考えます。

本と映像の森72 山口智子さん『名も知らぬ遠き島より』筑摩

2010年08月20日 04時50分30秒 | 本と映像の森
本と映像の森72 山口智子さん『名も知らぬ遠き島より』筑摩書房、2010年6月10日初版第1刷、197ページ、定価1700円+消費税5%

 妻のN子さんが買ってきた本を読みました。(お金をかけずに読めるのは、低収入者としては嬉しいです。次女のIさんの買ってきた本も何割かはぼくも読みます。ありがとう。)

 帯に「異国に流れ着く椰子の実のように、ある島を旅立った文化は、出会った土地で新たな花を咲かせる。山口智子は、日本と世界を結ぶ旅の軌跡を発見し、その感動を書き綴る。」とあったし、レオナルドや北斎やドガや光琳のことを書いているので、最初は美術評論家かなと思ったのですが、「女優」さんだそうです。
 すみません、芸能界のことにはうとくて。

 いちばんおもしろかったのは「メンデルスゾーンと赤とんぼ」の項で、山口さんが訪問した欧州で、ある人が「メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の第2楽章は、日本の歌にとても似ています」と言って口ずさんだのが「赤とんぼ」だったと言うのです。

 それで、久しぶりに(たぶん30年ぶりくらいかも)、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトをわざわざ高林のイケヤに買いに行って、1000円でチャイコとのセットCDを買ってきました。
 メンコンの第2楽章を聞いてみました。

 ある部分から、アッ!と思いました。
 「これって、赤とんぼ変奏曲じゃん」
 もちろん、赤とんぼのメロデイそのままではありません。 ぼくは、ヴァイオリンに合わせて「夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か」を歌えました。

 やっぱりドイツや欧州にも里山はあるのではないでしょうか?
 そういう気がします。
 「赤とんぼ」がいるかどうかは知りませんが。