本と映像の森74 古田武彦さん『盗まれた神話』ミネルヴァ書房、2010年3月10日初版、定価2800円+消費税
5月17日に「本と映像の森40」で「古田武彦さん『失われた九州王朝』ミネルヴァ」を書きました。
これはその続編です。正確に言うと第3作です。
副題は「記・紀の秘密」。
つまり『古事記』『日本書紀』の記事は、本来のヤマト天皇家の歴史・伝承だけではなく、さらに古い他の王朝の歴史・記録・伝承を「盗んだ」。
「盗んだ」はないだろと言う方がいると思うので「借りた」ことにしましょうか。
そういえば、ついこの前、見たアニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」で女中のはるさんが「どろぼうこびとども!」って言ってましたね。
「盗作」かどうかの判断は読んだ皆さんでしてください。
ただ、言いたいのは、こんなにおもしろい古代史の本は他にないだろうということです。なぜおもしろいかと言うと、古田さんが自分の頭で考えているからです。(自分の頭で考える人はそう多くないと思います)。まるで推理小説と名探偵の素敵な推理を読むような気がします。
そうなんですよね、科学や歴史と推理小説は「謎解き」という点で共通なんです。
「事件」の「謎解き」のない歴史書、「迷宮入り」の歴史書が多すぎるのではないでしょうか。
一部だけ、古田さんの謎解きの成果をあげておきます、
・景行天皇九州大遠征の謎
・秋津島(蜻蛉島)の謎
・天孫降臨の場所の謎
・神武天皇の発進地の謎
・「天国」の謎
・「オノゴロ島」の謎
・「大国」の謎
・『日本書紀』の「一書」の謎
・『日本書紀』の朝鮮記事の謎
これらの内容については、ほとんど市民にも知られていないので、また機会をみてカテゴリー「日本古代史」で紹介していきたいと思います。
なおこのミネルヴァ版への古田さんの追記、422ページから432ページに出てくる「「荒吐神要源抄録」という本」「「荒吐神要源抄録」を含む和田家資料」については、私は戦後に書かれたいわゆる「偽書」であると思います。
などと、書くと、古田さんがこれを読めば激高すると思いますが。
この古田さんの精神の変質は、それ以前の古田さんの著書の価値を低下させる性質のものではないと思います。
ある時から、ある人がおかしくなったからと言って、それ以前のその人の言行をすべて否定するようなことは不当であると判断しております。
「その判定はこの本を読み終えた読者ひとりひとりの特権に属し」ているのですから。
その判定は、「雨宮日記」にも書いたように、黒か白か、正しいか虚偽かではありません。
この本のすべてのページについて、ひとつひとつ判断を下していくことが「読者ひとりひとりの特権」ではないでしょうか。
まあ、しんどいですけどね。
ですから古田さんを信じるとか、そういうことは「学閥」や「宗教せくと」の世界の話で、科学や歴史学であるなら、信じたりしてはいけないと思います。
でも、言うは易く行うは難し、ですね。
実行している人がどれくらい、あるだろう。
数値で言うと「 割」?。9割はぜったい無いですね。じゃあ、5割?…うーんそれもどうかな。
みなさんはどう思います?
1割くらいかな?もっと少ないかな?
話が逸れましたが、
① 近畿天皇家=ヤマト朝廷=日本国の以前に、倭国=九州王朝があり
② 倭国=九州王朝の以前に、出雲王朝があった
この2点を日本古代史の基本に据えると、日本古代史のいろんな事実と資料が、生き生きと人間的に動き出してくる、のではないでしょうか。
5月17日に「本と映像の森40」で「古田武彦さん『失われた九州王朝』ミネルヴァ」を書きました。
これはその続編です。正確に言うと第3作です。
副題は「記・紀の秘密」。
つまり『古事記』『日本書紀』の記事は、本来のヤマト天皇家の歴史・伝承だけではなく、さらに古い他の王朝の歴史・記録・伝承を「盗んだ」。
「盗んだ」はないだろと言う方がいると思うので「借りた」ことにしましょうか。
そういえば、ついこの前、見たアニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」で女中のはるさんが「どろぼうこびとども!」って言ってましたね。
「盗作」かどうかの判断は読んだ皆さんでしてください。
ただ、言いたいのは、こんなにおもしろい古代史の本は他にないだろうということです。なぜおもしろいかと言うと、古田さんが自分の頭で考えているからです。(自分の頭で考える人はそう多くないと思います)。まるで推理小説と名探偵の素敵な推理を読むような気がします。
そうなんですよね、科学や歴史と推理小説は「謎解き」という点で共通なんです。
「事件」の「謎解き」のない歴史書、「迷宮入り」の歴史書が多すぎるのではないでしょうか。
一部だけ、古田さんの謎解きの成果をあげておきます、
・景行天皇九州大遠征の謎
・秋津島(蜻蛉島)の謎
・天孫降臨の場所の謎
・神武天皇の発進地の謎
・「天国」の謎
・「オノゴロ島」の謎
・「大国」の謎
・『日本書紀』の「一書」の謎
・『日本書紀』の朝鮮記事の謎
これらの内容については、ほとんど市民にも知られていないので、また機会をみてカテゴリー「日本古代史」で紹介していきたいと思います。
なおこのミネルヴァ版への古田さんの追記、422ページから432ページに出てくる「「荒吐神要源抄録」という本」「「荒吐神要源抄録」を含む和田家資料」については、私は戦後に書かれたいわゆる「偽書」であると思います。
などと、書くと、古田さんがこれを読めば激高すると思いますが。
この古田さんの精神の変質は、それ以前の古田さんの著書の価値を低下させる性質のものではないと思います。
ある時から、ある人がおかしくなったからと言って、それ以前のその人の言行をすべて否定するようなことは不当であると判断しております。
「その判定はこの本を読み終えた読者ひとりひとりの特権に属し」ているのですから。
その判定は、「雨宮日記」にも書いたように、黒か白か、正しいか虚偽かではありません。
この本のすべてのページについて、ひとつひとつ判断を下していくことが「読者ひとりひとりの特権」ではないでしょうか。
まあ、しんどいですけどね。
ですから古田さんを信じるとか、そういうことは「学閥」や「宗教せくと」の世界の話で、科学や歴史学であるなら、信じたりしてはいけないと思います。
でも、言うは易く行うは難し、ですね。
実行している人がどれくらい、あるだろう。
数値で言うと「 割」?。9割はぜったい無いですね。じゃあ、5割?…うーんそれもどうかな。
みなさんはどう思います?
1割くらいかな?もっと少ないかな?
話が逸れましたが、
① 近畿天皇家=ヤマト朝廷=日本国の以前に、倭国=九州王朝があり
② 倭国=九州王朝の以前に、出雲王朝があった
この2点を日本古代史の基本に据えると、日本古代史のいろんな事実と資料が、生き生きと人間的に動き出してくる、のではないでしょうか。