本と映像の森 253 佐藤さとる『だれも知らない小さな国』初版私家版1959年、講談社発行、昭和60年新版第1刷、223ページ
小学3年生だった男の子が、とりもちを作る「もちの木」を探して、偶然、たどりついたのが周囲を北は小川、東は峠山、南は杉林、西は小山に囲まれた、周囲から隔離されたエアポケットのような「三角平地」。
この平地に魅せられて、仲間にはないしょで一人で通い始めた男の子は、そこに「何かがいる」のではないかと感じ始めます。
そして、その山地の所有者であるおじさんや、野菜売りのトマトおばさんが男の子に語る「小さい人の伝説」は、男の子の感覚を確信に増幅させます。
転居でそこから離れた男の子は、大人になって、その山に戻ってきます。
もう一人の主人公の女の子、いまは保育園の保母さんになった「おちび先生」と、男の子が大人になった「せいたかさん」と謎の影が織りなす、心楽しい出会いの物語です。
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以前に「雨宮日記 8月20日(金) ザザで「借りぐらしのアリエッティ」2010年08月21日 05時03分57秒 」で紹介したことがあります。
「むかし読んだ児童文学」ですが、部屋をかたづけていて、この懐かしい本が、出てきました。
解説には「ファンタジー」と書いてありましたが、つまり「SF」の系譜ということですね。本は昭和60年発行ですので、1985年です。
実際は、小学生か中学生で読んだ本だろうと思います。34才以後に、懐かしくて買って読んだような記憶があります。
もし読んだことがない子どもや大人がいたら、絶対おすすめですね。
ドキドキ、ワクワクが満載です。
つまり、男の子や若い男性にとって、① ふしぎな自然のヒミツ、② ふしぎな女性のヒミツ、その2つのヒミツを同時に探求しようという、ぜいたくな物語です。
この本は、その後、シリーズになり、5巻になっています。ぼくはまだ読んでません。ごめんなさい。読みたいけど。