古代ブログ 17 古代史の本 2 黒田日出男『龍の棲む日本』岩波新書、2003年
岩波書店、232ページ、定価本体780円
「本と映像の森」から「古代史の本」「戦争と平和の本」を分離することにした。
これはファンタジーやSFではなく、まじめな日本歴史の本です。
つまり中世的精神では、この日本の姿がどう見えていたか。考える1つは、「行基図」などの日本地図。
もう1つは中世伝説に出てくる龍。とくに龍という生き物が日本の国土の地下を自由に行き来しているという信仰がおもしろい。
とくに水のあるところや神社には「龍穴」があり、日本の地下はそのような「龍穴」で縦横無尽に結ばれているのだ。
浜松の伝説に関心の高い人なら、よく知っている「諏訪湖と遠州が洞窟で結ばれている」という「穴伝説」も、この「龍の穴伝説」の文脈でとらえられる。納得である。
おもしろいので、引き続き探索していきたい。