新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

産科を含めた医療崩壊:20年後の国家予算は?

2008-04-05 19:52:14 | 医療

こんばんは

 

今日は朝書いたとおりで、とりあえず英会話に行っておりました。 そのあとは、いろいろと考え事をしていたのですが・・。

今朝、書いた第三次試案の関係でTBをいろいろなところに出したので、この機会に少しいろいろと書いてみたいと思います。

今回、書きたいのは「産婦人科」の減少が少子化を更に進めていくとどうなっていくのか・・・という事です。

少子化が進むという事は当たり前ですが「税金」を払う人は少なくなります。他の国々のように「外国人」が大勢働きに来ているのであればともかく、日本はそういうのも少ないです。むしろ、外に会社の工場を作ることがあっても・・・・日本国内でというのはありません。 それは一言で言えば「日本国の収入」が減少しているといっても良いのではないでしょうか?

 

僕が恐れているのは20年後、いや恐らく10年弱の間に・・・壊滅的なダメージを日本が受けるのではないかと思っています。

 

それは目先の経済にばかり目がいって、将来の投資である「教育」「医療福祉」などにお金をさかないことです。

はっきり言えば、教育や福祉は本来「将来の国の発展」「国民の安心」のためにやっているものであり、お金を儲けるべき分野ではありません

すなわち、公費を積極的に導入する分野です。

逆に建設業も含めて、「儲け」が絡んでくる場所に公費を注ぐのは、基本的には間違っていると思っています。

 

日本という国が将来の投資に金をかけていないのはいたるところで見受けられます。

例えば2004年のOECDのDataをみると研究等にかけているお金は日本はGDP比で3.13%とフィンランドについで第2位です。これだけ見るとすごいのですが・・・Government 18.07% Industry 74.81%・・・・。国が18%しか出していないのはルクセンブルグについで下から2番目です。

G7平均では対GDP比2.50% Government 29.57%  Industry 62.75%

 

これを国が目に見えないところには金を投資していないと取るか、Industryが金を出しているととるか・・・。 まぁ、対GDP比が低い国はほとんどが国が出しているのですけど、G7の中では日本は一番国の投資は少ない国です

 

Expenditure on educational institutionsに関しては・・・JapanはPublicの%OfGDPは3.5%。この比率で勝てるのはTurkey*とIndiaだけ・・・・。下から第3位。医療と同じだw

すなわち日本は「社会福祉」「教育」といった「将来への投資」「安全」などに金を使っていない

 

はっきり言えば今後各国間での競争で負け組みになるだろうという予測が成り立つ国です。

まぁ、勝ち残るなら・・・大学などの制度も変えなくてはならないでしょうけど。因みに僕と今日話し合ったNativeの先生の評価は「日本の教育は最悪」「中国の教育革命などを見ていると将来評価にも値しない国になりうる」というもの。

 

 あと、たまたま区役所に行ったときにこのような会話を聞きました

ある男性が

「あの道は交通事故が起きる可能性があります。特に高校生の自転車は危ないです。サイクリングロードをつくるか・・警察官などを朝の交通量の多いときには立たせたほうが良いのではないでしょうか?」

と、区役所の方に言うと

「なるほど、わかりました。何かが起こったら実施いたします

 

・・・・アホかこの国の役人は?何か起こる前に、わざわざ言ってくれているのに何を血迷った事を言うのだろうか?

もっとも、すべてに対応する必要はないですよ。それは・・・。

しかし、まずそういう話を受けたら

了解しました。では、後日状況を確認をして、必要なら処置を。不必要ならば次善の処置を行い、報告します

くらいの話は出来ないのか?

 

なお、Nativeの先生に話を聞くと、アメリカでそのような事が起これば即訴訟になるそうです。 あの道路が危ないといっていたにもかかわらず事故が起きた。これは国民に対する政府の怠慢以外の何者でもない。我々は税金を払っている人間であり、政府や公務員は国民の期待にそう義務がある。国民からの情報があったにもかかわらず、対策を講じずにそのような事が起こった=政府が悪い

→訴訟

となるようです。

日本もそうすればよいのだろうか?

 

いずれにせよ、このままでは日本の将来は暗いです。

僕は学生時代にも厚労省とかにメール出してましたけど、そういう話に対して動きがないのはおかしいです。 因みに2001年に「このままでは日本の医療は医師不足のため崩壊しますよ」と、僕はメールを出しています(医大生のたわごとと思って捨てられていそうですけど)ので少なくとも、僕の期待にはこたえていないのだから・・・厚労省は「国民の期待」に応えずに、言われたにもかかわらず無反応だった結果、このような状況を招いた。

罪に値しますw

なんてw

いずれにせよ、ここから戻せればよいのですから、日本国に住む人全員が最善の方法を考えて、より良い日本を子供たちの代に残せるよう頑張りたいですね。

 

因みに、今日Nativeの方が言っていましたが

「日本のTVはおかしい。笑えない事を堂々と放送している。あれは普通の国なら危機感を持って対処する話だ」

と。

何のことだかわかりますか?

「料理」を作らせる番組で正しく作れるか・・・というのをやっていたらしいのですが、まともにつくれない人が多いというのを放送していたそうで、普通ならこれではまずいと思って対策を練るはずだ・・・・という事でした。

彼と僕は意見が本当に合うので、Discussionをしています。いつも4000円分(1時間)くらい得するのですよねw

話が散らばりましたが、

産婦人科の減少→少子化が更に進行→将来の国の予算が減少→国家運営の破綻

迄行き着くかもしれません。

体が3つあるなら、過労死してでも「医療現場」と「政治」と「教育」の現場にしゃしゃり出るのですけどね・・・。

産婦人科の減少が将来の国家破綻まで行き着くのではないか、このままではいけないと思われる方・・・応援をよろしくお願いいたします

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第3次試案:第4次も必要かな?

2008-04-05 11:14:53 | 医療

おはようございます。

 

 昨日は職場の歓迎会で、結局1時過ぎまで飲んでました。なかなか、白熱した議論を展開しましたが・・・・職場をやめて別の道に行きそうな人間が二人もいるのに、えらく前向きで・・・・。

 

 さて、今日は実験計画を切り替えます。風邪引いて、かなりきついですw

明日、メインの実験は開始する事として・・・英会話を中心に今日の行動を組み立てようかと思っています。

 

その前にCBの記事です

医師法21条の改正を明記  

厚生労働省は4月3日、診療行為などに関連した死亡の原因を調べる制度(死因究明制度)に関する第3次試案を公表した。異状死の警察への届け出を医療機関に義務付ける医師法21条の改正や、病院の説明に納得しない遺族からの相談を受け付ける体制の整備などを盛り込んでいる。試案に対する国民からの意見募集も同日、スタートした。

第3次試案は、手術ミスや誤った投薬などで患者が死亡した場合に事故調査に当たる「医療安全調査委員会」(仮称)の在り方、遺族と医療機関との関係、行政処分、捜査機関との関係などを第2次試案よりも詳細に示している。  

第3次試案によると、調査委への届け出が必要な医療事故の範囲を明確化・限定した上で、医療機関の管理者からの届け出を制度化するとともに、医師法21条を改正し、医療機関が調査委に届け出た場合には同条の「異状死」としての警察への届け出を不要とする。  

また、遺族からも調査を依頼できるルートをつくり、医療機関が遺族からの調査依頼の手続きを代行することも可能にする。  

厚労省医政局の二川一男総務課長は記者会見で、捜査機関が調査委の調査を尊重することについて、法務省や警察庁などと調整済みであることを強調。「委員会でしっかり調査することを条件に、捜査機関に待ってもらう」と述べ、調査委による調査の実効性を確保する必要性を訴えた。  

一方、調査委への届け出が必要と医療機関が判断したにもかかわらず届け出を怠ったり、虚偽の届け出をしたりした場合には、適切な届け出を担保できる体制の整備を行政処分で科す。二川課長は「処分後に再び違反した場合は許し難い」と強調、こうしたケースについては刑事罰の対象になる可能性も示した。  調査委の目的は、「医療死亡事故の原因究明・再発防止を行い、医療の安全を確保すること」とした。医療の専門家を中心に、法律関係者や「その他の有識者(医療を受ける立場を代表する者等)」で構成する。  

※ 意見募集はこちら。   http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?

OBJCD=100495 更新:2008/04/03 21:54 キャリアブレイン

----------------------------------

まず、最初に一言。

 調査を行うのであれば、そこに一般の有識者は不必要です。必要なのはそこでの発言権ではなく、そこが公明正大で開かれた議論の場所であれば良い。

有識者の感情で「原因究明」が可能になるとは思いません。申し訳ありませんが、原因究明に関しては一般の人に期待できる事はないと思います。 医療従事者以外の方々に関わっていただきたいのは「公明性」を高める事。 僕は必要なのはそこだと思っています。

 

さて、内容ですが・・・

個人的に組織の内容として「中央」「地方」に分けているのは良いですが・・・地方委員会でも(関係者を調べるので)担当者が関わる地域は別にするとか・・・まだまだいろいろ改善しなくてはならないと思います

あと、有識者も不要というのは先ほど書いたとおりです。

「行った医療に起因して患者が死亡した事例~(中略)医学的に合理的な説明が出来ない予期しない死亡やその疑い・・・・」 これも無理だと思います。

何故って・・・例えば「新薬」・・・使っていて初めて報告される副作用もあります。今では有名な副作用ですが「急性リンパ性白血病」に使用されるKey Drugのアスパラギナーゼ。これの重要な副作用に急性膵炎があります。

これは使い出してから始めて報告されたもので(実は本当の一番初めはうちの大学だったそうな)、これは行った治療に起因していますが、その時は「医学的に合理的な説明が出来ない、予期せぬ死亡」になってしまいます。

 

そもそも、医者が「死ぬかも~」と思いながら治療するとは思えないですけど。おかしいではないでしょうか。疾患のために死亡する可能性は考えていますが、この処置を行ったら死亡するかもしれない・・・と思っていたら、説明は絶対しますし・・・・予期しているなら回避しようとしています。

 

だから、この書き方では「死亡」した場合の・・・どこまでが報告されるのか・・不安になります。

 

あと、遺族が原因を究明する場合・・・とありますが、遺族感情として「突然の死亡」は原因が何だったのか知りたいと思われるかもしれません。しかし、あるところで話を聞いたのですが・・・

 

「外戚の外戚の・・・はたまた外戚」みたいな、血のつながりが良くわからないところから人が出てきたことがあったそうで

「医療事故じゃないのか?」

と、その人だけ噛み付いてきたそうです。 実はまったく日頃、亡くなった人とは交流もないため、「実の息子」さんたちが

「先生方は本当によくしてくれました」

といって、引き下がらせたようですが・・・・申し訳ありませんが、こういう人たちもいるようなので、遺族の範囲を明確にしてほしいように思います

 

 「評価の視点や基準に基づいて指針等を作成(それは大事だ)~臨床評価担当医などに対する研修を実施する」

これ以上現場から人をさかないでほしいような・・・・。

 

また、「システムエラー」が多い・・・というよりは「日本の医療制度」自体がシステムエラーですので・・・・・。

 

「医療事故による死亡の中にも、故意や重大な過失による・・・・」

故意に関して警察が出てくるのはいいです。それは殺人事件なので「警察」の範囲です。

しかし、「過失」が原因であった場合は「警察」が出てくるのはおかしいです。むしろ、あまりにも非常識な・・・過失だった場合にのみ・・・・行政処分の対象とすべきです。委員会の中で話し合いを行い・・・行政処分の有無のみを考えるほうが良いでしょう。

 

「システムエラー改善の観点から医療機関に対する行政処分を医療法に創設~(中略)個人の行政処分は抑制する。」

 

システムエラーなら個人が罰せられるのはおかしいので、処分自体がおかしい。かといって一番のシステムエラーは国の「医療費削減」政策であり、これが取れれば「医療機関」は十分な対応が取れるようなシステムを作れる可能性は十分あります。

一番の大本が変わらない状況で、更にその末端・・・しかも中間管理職的なところを処罰対象にするのは「厚労省」「国」による「トカゲの尻尾きり」でしかないです。

はっきり言いましょう。

国が悪い!

 

ADRに関しては「良い面」「悪い面」がありますが、ADRの制度の中にどれだけ医療従事者が関われるかですが、「患者」が優先の医師としては「多くの力・時間」をADRに割けないのが難しいところだと思います

この記事の内容をそのまま意見として、僕はこのあとメールで送りますw

皆様も意見を「ばしばし」たたきつけましょうw

 

さて、ではまた夜にでも・・・・。

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