記事二番目です
さて、僕は以前から「医療」「教育」の分野が好きだと書いてきました。実際、大好きですし・・・職場の準看護学院の授業など、「血液」以外にも「感染症」「膠原病」はやってもいいよ~という事で、担当になっております。
教育というのは大事ですし、この分野に関しては「後生」を育て、日本の未来を作る・・・という意味では最も重要な仕事の一つだと思っています。
そういうわけで教育という分野に非常に興味があります。そしてそれを行うための組織にも興味があります。
そういうわけで、今日はこの話を・・・・。 キャリアブレインからです
「臨床研修病院削減」は医師不足助長
医学部を卒業して国家試験に合格した新人医師に2年間の研修を義務付けている「医師臨床研修制度」が、今年4月に改正された。研修医を2年以上受け入れていない病院では、臨床研修病院の指定を取り消されることになったが、これでは「研修病院の“削減”につながり、全国的に深刻化している医師不足を助長する」と、医療関係団体が批判している。
医師の臨床研修については、2004年4月に同制度が施行。医師免許取得後の2年間、臨床経験を積むことが義務化され、医師は全国の研修病院から研修先を選択できるようになった。
しかし、設備が整って待遇も良い都市部の民間病院などに研修医が集中する一方、地方の大学病院などで医師不足が深刻化するといった問題が起こっている。
厚生労働省は今年4月、研修プログラムの質の向上などを理由に制度を改正。臨床研修病院について、「2年以上、研修医の受け入れがないとき」には指定を取り消すという要件を盛り込んだ。また、3月26日付の医政局長通知では、「原則として、当分の間、臨床研修病院の新規指定及び研修医の募集定員の増員を行わない」ことも示している。
これに対し、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)では「医師不足対策には、国が医師の絶対数を増やす決断をし、研修病院の充実を図るべき」と指摘。新たな指定取り消しの要件について、「地方の臨床研修病院を減らすことになり、医師不足を助長する」と批判している。
また、新規指定や定員の増員をしないことについても、「新たに医師養成に挑戦しようという医療機関は歓迎すべきで、それを遮るような方針は不適当だ。研修制度を改正するなら、より良い医師研修を目指して、プログラムの審査や改善、財政的援助をするべき」と、研修病院の指定取り消し要件などの撤回を求めている。
更新:2008/04/28 16:25 キャリアブレイン
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この医師を増員する決断をする・・・というのは賛成です。
ただ、増員を決断したとして・・・どういう形で医師の卵を教育していくのか・・・という問題はあると思います。
この際、座学に関しては何も言いません。 医学知識に秀でた人がある程度の知識を話して下されればよいのですから
はっきり言えば「大学は勉強を教わるところではなく、自ら学ぶべきところ」であり、そもそも教育の質を医学以外の分野でも変えなくてはならないですけど・・・範囲を拡大しすぎないようにして・・・・今は医学に関してだけにします
座学に関しては、不足する部分は「自ら学ぶ」姿勢でなくてはならず、医学という人の命に関わる分野に関しては「人員を多くとって」「厳しく学生の成績をつける」のが本当は正しいのでしょう。
ですから、座学までは・・・本人たち次第でもいいのです。
問題は臨床実習にあります
僕が以前から言っている話ではあるのですが、今現在の状況では「医者を増やす」にも「大学病院」などにおいて「学生の指導をできる余裕」は大学病院で勤務する医師にはありません
何故なら「臨床」「研究」「教育」という分野だけでも大変な上、様々な雑用、そして大学病院であるゆえに「外の病院では行ってしまっている」看護師さんの実務の拡大・・・がなく、結局仕事量が最も多い職場の一つです。
それなのにもっとも安い給料で働いている医師でもあります
先日も書きましたが、朝から晩まで・・・患者さんを診ている大学病院の医師の給与は「600万~1000万」の間、教授が1000万くらい、準教授が900万・・・講師800万、助教600~700万です。
安いか、高いかといわれれば・・・年収300万円の人たちから見れば・・・きっと
「何言っていやがる。十分もらっているだろう」
と思われるかもしれません。 しかし、実際の手取りは更に下がるわけですから・・・少しでもよい生活をするならアルバイトをせざるを得ない。
しかも、だいたい医者は一箇所で働く事が少ないので、退職金がないため・・・実質生涯年収はかなり安いとも言われます
更に「他の病院」の医師も足りていないので、結局ある程度人がいる「大学病院」から派遣せざるを得ません。
僕が今いる場所では「医者が足りなく当直を回すこともできない」と一時期言っていました。
その状況下でどうやったら医者が増やせるのでしょうか?医大生を増やせるでしょうか?
・・・編入制度もOKです。しかし、誰がそれを教えるのでしょうか?
研修制度も変えなくてはなりません。根本からw
そうでなくては・・・この崩壊の波は止められないでしょう
先日、書きかけた「僕のアイデア」を公開します。まぁ、昔しゃべった内容だし・・・過去に書いたような気がしますけど・・もう一度。
先ほども書きましたが、座学に関しては概ね自己研鑽でも良いと思っております。
しかし、臨床実習からが重要になってくると思っています
実は学生時代に「CBTをつぶす」という目標を持って、動いていた時期がありました。まぁ、いろいろ仔細があり・・・動けなかったのですけど。
CBT(Computer Based Test)とは臨床実習に先立ち、実習可能な知識を持っているという確認の試験です。これと手技的な面を評価するOSCEというものがあります。
当時は「CBTを導入するのであれば、学生にもメリットがあるべきだ。これは臨床実習を行う知識があることの確認であり、これをクリアすれば、すべての病院で実習してもよいことになるはず。後輩たちのために今のうちに変えてしまおう」と思い、結構いろいろな場所へ学生の会議(体育大会)に参加していた際に話をしてみたりしていました。
これを利用します。
まず、CBTをクリアしたのであれば(あとOSCE)臨床実習はどこでもやっていいはずです。医者を増員するという決定がなされたのであれば、その増えた学年からはCBTクリア後はどこの病院でも実習できるようにします。
今の研修医は「お客様」状態になっていることが多い(学生の延長か・・・といっている先生方も多い)ので、それと同レベルの内容ならば学生でも勤まると思います。
しかし、人は国家試験があれば気になるというものw
まぁ、僕は5年の1月末に「3月末までに100回受けたら100回受かるようにしておけ。それでなくては人の面倒はみれない」と、尊敬する先輩に言われて・・・1ヶ月で2回アプローチ:医師国家試験対策の問題集(臨床実習もやリながらですよ)を解きましたよ。 おかげで5年の終わりのMECは良かったですけど・・・。
それを思えば・・・一ヶ月でいけるか?(流石にそれは詰め込みすぎですが)
いずれにせよ、国家試験があると気になると思うので・・・・そこでポートフォリオを導入します。
ポートフォリオは「紙バサミ」と言うような意味ですが、現在教育界や医学教育分野でも広がっている「教育手法」の一つです。
僕も職場に導入しようとして、様々な本を買いました(OSCEとポートフォリオの本が何故か本棚にどさっと)。OSCEは実際に職場で行って、職場の機関紙に少し載りました。ああいう使い方をしたかったわけではないのですけど、更に発展させる準備は行っております。
まぁ、そのポートフォリオ評価を「医師国家試験」の成績に加味する・・・それも50%以上。それにより、実践的かつ積極的な臨床実習が行えるうえに、研修医の時にはそれなりに動けるかもしれません。
これに関して評価法が一律になるか・・・という面もありますが、自己評価も多いですし・・・指導医は目標に対して実際はどうかというような評価をしたりします。 因みにポートフォリオはイギリスでは導入されているのですよ、国家試験にw
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現在欧米のカリキュラムで強調されていることの1つは,プロフェッショナリズムである。プロフェッショナリズムは,CBTやOSCEでは評価できない(図)。そのため,英国では5年間の医学部(内,3年間が臨床実習)で4年生の終わりにEMI,OSCE,CRQで評価し,卒業試験ではポートフォリオ評価を外部よりの評価者とともに施行している。そのため,医師国家試験は行なっていない。米国でも医師国家試験にCBT,OSCEに引き続き,ポートフォリオ評価の導入を準備中であるという。
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2530dir/n2530_03.htm
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別に欧米化しろというのではなくて、「評価法として確立されているものであり、実際に行われている。むしろそれを学び取って、実際に日本も応用してはどうですか? 」といっているだけです。
僕が更に言いたいのは・・・これによって「大増員」する事になっても「初期」医療従事者として人員が増えることと同時に、大学だけでは見きれないであろう大量の医大生に充実した臨床実習を行ってもらいたいのだ。 そうする事で将来の日本の医療が開けてくると思う。
また、これを行うと臨床研修で全診療科を学ぶ必要性はない。だって、似たような形で学生実習として学んでいるのだから。
そう考えると僕だったら「研修制度として、一年目に外科or内科を半年+救急or麻酔科を半年・・・残りの一年は専門の診療科を研修する」とすれば厚労省の唱える「新臨床研修制度の目的」は十分果たせるだろう。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/hensen/index.html
もうちょっと評価に関して公式文書に残すなら、考えて実施してほしかったように思う・・・。
因みに、医局の力を削ぐのが本当の目的だったとしても・・・そちらも十分果たしたでしょう? もっとも、人事権というものに関しては・・・削除する方法を考えてあるので、少し考えてみて欲しいように思います。
今の僕の中にあるある種の日本の医療の将来を考えた教育制度の半分はこれです。残り半分は・・・・医局を敵に回しかねないので・・・今は書きませんw
けど、必ずよい方向に持って行けると思います。医局にとっても国にとっても、国民にとっても・・・。だって僕も大学病院で「臨床・研究・教育」に携わりたい人なので、「医局を良くしたいという思い」しかありませんので
それゆえ、今現在は組織論や教育論を中心に、将来どのように展開可能かを考えて暮らしております。
行き・帰りの電車もバスも、歩いているときもかなり考えておりますw
こんな教育システムを考えておりますが、これなら医師の増員も可能で、将来の医療体制も作り直せる可能性がある・・・と思われる方、応援をよろしくお願いいたします
http://blog.with2.net/link.php?602868
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ま、ここに書いていない半分の意見・・・。そして組織論が加わると3~4倍くらいの内容になりますが・・・それはまだ秘中の秘ですw
けど、こういうことって書いておかないと明日死んだら、誰にも伝わらずに終わってしまう。それでは無駄死にだしな~。 ま、明日は死なない事に期待しよう。
一日一日一生懸命に生きる。人のために生きて、人のために死ねればそれで本望w
もう一件、記事を書かせてください。今日はノリノリですw
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