新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

危機感:明治維新の危機感を思う

2008-04-07 22:45:46 | Weblog

こんばんは。連続投稿します

 

最近頑張っていますw 応援よろしくお願いいたしますw

 

さて、最近日本の医療だけでなく、教育などを含めた政治そのものを考えてしまいます。いや、政治というよりは「日本」という国そのものです。

僕は子供のときから「生物」「歴史」「文学」(「体育」)が好きなお子様だったため、少しだけ歴史関係は得意なのですが・・・・今の時代を「明治維新」や「戦後の直後:復興前」と同じレベルで見ております。

もしかすると同じような危機感を持っている人は多いかもしれません。

 

僕が今日地下鉄に乗っていると、半年前と違う光景である事に気がつきました。地下鉄の中の「広告」があまりに少ないのです。これは札幌に住まれている方は気がつかれていると思いますが、車内広告が明らかに減っています。 これはちょっとした変化です

 

しかし、僕は将来的には「人」が少なくなり「税収」が減ったら「日本」という国は立ち行かなくなる(900兆の借金の危機感のない国:社会保障費を減らす前にそれこそ無駄な国会議員などを減らすほうが良いでしょうね)と思っていますし、教育制度も「ゆとり」の意味を履き違えている・・・とも思っています。

また、大学こそ重要な「自ら学ぶ場」である事を忘れているような気がします。

う~ん、要するにエリート養成の場所ではなくなりましたね。 アメリカだったら・・・日本の大学生の5割・・半分は退学になるでしょう。アメリカは大学は「自分で学ぶ場所」ゆえに、金を払っていても・・・勉強する気のない人間は「不要」として追い出されます。 大学に入ると「競争」がいきなりなくなる日本と、大学に入るまでは仲良く・・・大学入学後が競争のアメリカ。アメリカはエリート養成・・・が大学なんですよね。これはアメリカの良いところです。

 

このエリート養成というのは「旧軍」では、陸海軍の士官学校は「選りすぐり」の人材が集まってきていた場所ですが、そのような位置に大学もかってはあったのに・・・などと思っていたり。

 

これが「経済界」の陰謀だったら、僕は笑って「やられていますなw」で、反撃を開始しますが・・・そうでもないと思うのですよね。そこまで考えられる人なら、他の欠点を思いつくでしょうから。

「経済界」の人が「出来すぎる人がいないほうが良い」「皆が出来すぎていたら、いったいいくら給料を払えばいいんだ」とかですね「あまり、優れた人間ばかりで、皆が競争していたら今の安定した地位が崩れてしまう」と考えての処置なら、笑い事ではないですけど、笑ってしまいます。

 

しかし、現在の競争はついに「日本国内」から「諸外国の企業」を含んだ競争社会になってきました。「日本国内」というぬるま湯が終わり、能力をフルに活かさなければ食われる体制になりつつあります。僕が言うまでもないですが・・。

 

これは日本国全体でいえると思いますが、何故か「危機感」が感じられません。政府や官僚は「ぬるま湯」に浸かりきっている典型だと思います。

 

申し訳ありませんが「天下り」を考えていられるほど、もはや安定感がないのに、まだ天下りの事を考えている。

 

もはや競争させて、国際的な競争力を持った企業だけを残す方向にしないと、どうせ食われて終わるだけだぞ~と思っていたりします。

 

国が関わらなければ生き残れないのであれば、早晩外国企業に食われます。そうなれば天下りなどというもの自体が不可能である。そこに頭が行けば、公共事業にあれほどの金をさく必要はないのに・・・・。

 

「国際的な競争力」という言葉がよく言われますが、日本の社会は「競争」に不慣れで、競争していないからこそ・・・足並みを合わせて「談合」とかが起こる。談合などをしていると、いざ他の地域から企業などの競争相手が来たときに潰れていく。 国からの依頼がなければ潰れるのであれば、早晩潰れます。他を探してください。そうでなければ、新たな道を探してください。そうでなくては日本自体が沈没すると思います。それとも、みんなで沈めば怖くない・・・とか?

そうではありますまい。

全員がしっかりと問題を考えれば、突破口は十分にあります。 医療だけでなく、教育・文化・経済・・・すべてにおいて、今日本は危ないのではないかと強く思います。

 

 この安定性、平等主義(自由主義ではなく)は農耕社会を中心としていた日本人の特色なのでしょうか?

 

明治維新のころは、「諸外国に侵略される」という強い危機感から、様々な政策を打ち出し「年功序列」ではなく、「能力主義」ともいえる「人事』を多数行っています。功は「爵位」で、能力は「立場」をという・・・まるで信長の人事をまねたような・・・理想的な人事系を行っています。

 

それが続いていたのは・・・一般に「日露戦争」までといわれます。「日露戦争」で勝った日本から「危機感」が消失し、年功序列のエリート制が出来上がってしまった。それは太平洋戦争まで続いていて、よく言われる「ミッドウェー海戦は山口多聞が提督ならあれほどまで負けなかったのではないか?」という人事でも遺憾なく発揮しているw

 

日本の良いところは「平等・和を重んじる」この農村社会的なところにあるが、弱点もまた同じである。平等を重んじるあまり、自由をなくしているし、安定を重んじるあまり、動きがなくなり不活発になっている。

 

それが今思っている事ですね。 新しい組織は基本的に「危機感」が強いから、様々な人材を使っていくが・・「和」を重んじるあまり有能な士を追い出してはならない

 

今は維新のように不安定な日本の危機である。このままいけば、最終的には国が持たない。もしこのまま少子高齢化が続いていけば、税収もそうですけど・・・働き手がいなくなる。 働き手がいない=税収減少ですから打開策は「外から人を入れる」ことなんですけど、それを行うと今度は「競争」に慣れていないJapaneseに「競争慣れ」した諸外国の人たちが大勢入ってくるかもしれませんね

 

医療制度を通してでも、いろいろな事を考えていると・・・このようにいろいろな危機感が芽生えてきます。 その危機感を大事にして、国のために、人のために尽くせる何かがあればよいと思う。

最近・・・若手の医者というより思想家のようなこと書いているような気がする・・・。

 

いずれにせよ、国際化が進んだ今「ぬるま湯」にいたら日本は危ない。 医療に関しては「新しい組織」ゆえに「全国医師連盟」に期待したいところです。

 

全国医師連盟」・「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」など・・・新しい組織頑張れ~と思われる方、応援をよろしくお願いいたします

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麻酔科医、慢性的に不足:どの診療科も不足です

2008-04-07 21:40:30 | 医療

こんばんは

 

今日は朝から実験をやっておりました。片方の実験は失敗というか成功というか・・・。狙っていた結果ではないですけど、このやり方ではうまくいかないはずである・・・というのを、予想したとおりの結果の形で得ました。 次はうまくいかせられるでしょう。

もう一個はWesternなんですけど・・・何故バンドが出ない?最近、現像機の調子が悪いんですよね・・・。今までと同じことをしているのに、何故でないのだろうか?

 

さて、今日は先日ご紹介した「がんセンター」の記事を日刊ゲンダイが書いた記事をご紹介します。

麻酔医が慢性不足、悲惨な現場

4月7日10時0分配信 日刊ゲンダイ  

ショッキングなニュースだ。国内最大級のがん治療施設「国立がんセンター中央病院」(東京都中央区)で、常勤の麻酔医10人のうち5人が、昨年末から今年3月にかけて相次いで退職、同センターの東病院(千葉県柏市)でも4月から1人になっていた。 

退職した多くは、待遇のいい病院に転籍したというが、麻酔医はそんなにシンドイのか。「全国1万の病院のうち4000が全身麻酔を実施していますが、麻酔医が常勤する施設はその半分と、そもそも麻酔医は慢性的に足りないのです。年収も、民間の病院なら30代半ばで1000万円を超えますが、がんセンター中央病院のような国家公務員だと、800万円がせいぜい。医療ミスで訴えられることも多いから、なり手が一向に増えないのが現状です」(病院関係者) 

聞けば、とにかく現場は悲惨だ。医療ジャーナリストの油井香代子氏が言う。「手術室の多い病院では、ひとりの麻酔医が数件の手術を掛け持ちするのが当たり前。麻酔の状況をチェックしたら、隣の手術室に大急ぎで走っていくという忙しさです。それに麻酔医は、最近注目のペインクリニック(末期がん患者の疼痛治療)も担当しているから、手術以外の仕事量も相当なものです」 こうした現状に嫌気して、最近増えているのが、特定の病院に所属しない「フリーの麻酔医」だという。

「彼らは、手術ごとにあちこちの病院と契約して報酬をもらい、年収も常勤医より高い。専門性も生かせるし、院内の面倒な人間関係とも無縁。休みも自分のペースで取れます」(油井氏=前出) 

今年2月、年収3500万円で麻酔医を募集して話題になった大阪府泉佐野市の市立泉佐野病院では、それまで1日12万円でフリーの麻酔医を雇っていた。仮に月~金曜日の勤務として、年収は約3000万円。確かに、国立がんセンター勤務の800万円とは月とスッポンだ。 

ある国立病院の関係者が言う。「患者は、大きな有名病院での手術を望む。でも、入院前まで2、3カ月待ちのうえに、麻酔医の手当てがつかなくなれば、再検査だけして手術まで2、3カ月放っておかれるという深刻な事態になりつつあるのです」 

日本の外科医療崩壊の日は近いかも知れない

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まず、最初に一言・・・。

足りている診療科を教えてください!

 

一昨年でしたでしょうか・・・。福岡で血液学会があったときに、臨床腫瘍学会から人が来て

「臨床腫瘍に血液内科医の参加を・・・」

という話がありましたが(まぁ、僕は両方入っていますけど)、そのときに

血液内科医はまったく人が足りていない。白血病やリンパ腫だけでもぎりぎりでやっているのに、他の腫瘍まで手が出せるか!」

という意見から

「○○県には血液内科医は3人しかいません」

「うち(某関東の県)だって9人しかいない」

などという悲惨な話が出ていました。

 

また、産婦人科・小児科・救急は「日本国」ですら足りないと認識している診療科ですし・・・・・。

外科や内科だって、各分野まったく足りていないのに・・・厚労省はこのように書いています。

 

平成19年度厚生労働白書P50から抜粋です

 

「専門医について諸外国と比較すると、制度の違いがあるため単純には比較できないが、わが国では、アメリカに比べ人口比で2倍以上の専門医が養成されている診療科もある一方で・・・・・」

という記事の下に、

アメリカ人口当り医師数を1とした、日本の医師数

というグラフがあり

脳神経外科3.4、整形外科2.0、外科1.5、胸部外科1.4、内科1.1、全臨床医0.9・・・など資料が出ています

足りていないものとしてあげられているのが

「産婦人科0.8、小児科0.5、麻酔科0.4、病理医0.2、家庭医0」です。

 

厚生労働省が人口当りでアメリカより多いとしている「外科系」各診療科。厚労省の認識はその程度か?

 

アメリカの外科医の仕事は純粋に切るだけ。しかも、入院費が高いから・・・手術当日の朝、受診して・・・・麻酔が覚めたら帰ることもあるという(去年、脳神経外科の研修をした先輩の話)

 

日本の外科医は術前術後までしっかり診療をしているから、そもそも仕事量が違う。仕事の中身も考えて「厚生労働白書」に書いてほしいものである。

 

日本で医師数が十分満たされている地域はないし、余っている診療かも存在しない。それは厚生労働省が「現場」を見ずに「数字」だけを見ているからこのような「見解」を出す。

まずは現場などに立ち返ってはいかがであろうか?

 

厚労省が「数字」だけを見て「現場」を見ていない。現場はアメリカと仕事内容が違いすぎて、数字で比較が出来ない。余っている診療科などがあるわけがない!

医療は会議室でおこっているんじゃない。現場でおこっているんだ!

そう思われる方、応援よろしくお願いします

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