新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医療費抑制はもう限界:毎日新聞の社説

2008-04-20 19:35:56 | 医療

こんばんは

今日は朝書いたように軽くランニングをしていました。ただ、僕の悪い癖ですが・・・オーバーペースになりがちですorz

 

昔・・・全盛期の頃も・・・ハーフマラソンで初めの1km 3分14秒で突入し、「早すぎ(汗」と思いながらも、ままよ・・・と走り続け・・・10km地点で35分

・・・17km地点で力尽き

結局、何人かに抜かれたあと・・・50歳くらいの方に追いつかれ、その方とデッドヒートをした記憶があります。

 

他にも本田技研の選手と一緒に走る機会があり・・・思わずついていき、死んでました・・・w

 

けど、9.6km 31分10秒だから悪くはないのだけど・・・。

(一応専門種目は400mHです

今日は・・・この体力の衰えを感じながら・・1km当り4分のペースでのんびり走っていましたが・・・6kmくらいで力尽きw

というよりは、心肺機能はともかく筋力低下はどうしようもないです・・・・。足が動かなくなりましたw

 

さて、という事で久々に走ってストレスも解消。新しい記事を探しにネットサーフィンをしていましたら、このような記事を見つけました。

毎日新聞です

 

社説:安心の仕組み 医療費の抑制はもう限界だ  

保険証があれば、いつでも、どこでも医者にかかることができる。しかも世界で最高水準の医療が、それほど大きくない負担で受けられる。日本の医療が世界から高い評価を受けてきたゆえんだ。  

 

しかし、誇りとしてきた安心の医療制度がいま、音を立てて崩れつつある。小泉純一郎内閣の「小さな政府」政策には功罪があるが、医療費抑制策によって医療制度は根幹から揺らぎ始めた。  医療崩壊ともいえる現象が一気に噴き出したのだ。小児科や産科の医師が不足し、救急医療の現場では患者がたらい回しにされるケースが相次いでいる。病院経営の赤字が膨らみ、勤務医は過酷な仕事に疲れ果て、開業医をめざして病院から去っていく。少子化対策が声高に叫ばれるのに、現実には医療ミスの裁判を恐れて産科医が減っている。  

 

医療費の削減を狙った後期高齢者(長寿)医療制度は高齢者を落胆させ、強い怒りが広がった。高齢者の怒りは国の政策への痛烈な批判と受け止めなければならない。政府の説明不足もあるが、背景には「医療費カットは高齢者切り捨てだ」という不信感がある。政府は高齢者の不信や不安を取り除くためにも明確なメッセージを送るべきだ。  

高齢者の医療費は現役世代の5倍かかる。年間30兆円を超す医療費の3割以上は老人医療費が占める。高齢化が進めば、医療費が増えるのは自然の流れだ。一方、少子化によって現役世代が減るため世代間の仕送り方式で運営される社会保障制度の基盤が崩れるのは目に見えている。  

政府の医療費抑制策に国民は一定の理解を示したが、実行されてみると、さまざまな問題が表面化した。厚生労働省は診療報酬の見直しをテコに日本医師会の力をそごうとした。だが、診療報酬の配分を開業医から勤務医に移すための見直しは進まず、医療費抑制のしわ寄せは病院経営や勤務医にのしかかった。  

 

加速する医療崩壊の実情をみると、医療費抑制はもはや限界に達したと言わざるをえない。日本より早く同じ医療崩壊が起きた英国では医療費を増やす政策に転換し、危機を乗り越えつつある。こうした経験にも学ぶ必要がある。   

国は医療費抑制の功罪を再点検し、医師不足・偏在対策など必要な所には増やすべきだ。検査漬けなどムダを省くことも重要だが、それ以上に抑制策によって疲弊した医療の立て直しが必要だ。早急な医師の増員や、地域に計画的に配置するための施策を取ることも急いでほしい。これは日本医師会をはじめ医師や医療機関の協力がなくてはできない。医師の団体は指導力を発揮して、医師不足・偏在対策に手を打ってもらいたい。

毎日新聞 2008年4月19日 0時02分

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毎日新聞の社説が・・・・。

 

「たらいまわし」とは書いているけど・・・・基本的に、医療費抑制政策を批判し・・・国民へ医療費を増やす必要性を説いている。

 

そうか・・・。

 

1年半前は毎日新聞は「医師」たたきの新聞という事になっていたのに、方針転換したんだな~

 

高齢化による問題と少子化対策に関しても書いているし・・・。産科、小児科だけでなくて・・内科外科・・・ほぼすべての診療科が崩壊しつつありますけど・・・そのあたりの細かい点はともかく・・・。

毎日新聞さんも「医師不足」に対して「医療費抑制は無理」だと国民に訴えてくれるようになったんだな~。

それだけ危機的ということだけど、大手の新聞でどんどんこういう記事、社説を書いてくれたら世論は動き出すかもしれないな・・。

あとはどうやって医者を増やすかだけど・・・。

 

ここに書かれているとおり、まず医療費に関しては増やさないといけないし、医師を含めた医療従事者、医療従事者を補助するスタッフ・・様々な職種をふやさなくてはなりますまい。

新聞社の社説も方針転換しました。

国もこれに倣って方針転換してほしいと思います。経済だけではなくて、将来のために「教育」「医療・福祉」の分野をきちんと固めてほしいと思います。

経済はともかく、教育や医療福祉の分野は「利益重視」ではないのだから

 

北海道もいよいよ春です。雪解け水により、冬の水枯れがあっという間に土手まで水が押し寄せてきていました。蝶が飛んでいました。アリが歩いてました。子供が半袖で遊んでました・・・って、北海道の春にしては暑くない?

 いずれにしても、季節が変わり・・・新たな季節が始まりつつあります

日本の医療も、季節や毎日新聞の方針転換に合わせて新たな体制になってほしいと思われる方、応援をよろしくお願いいたします

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ニコチン新薬:その前にニコチンの濃度規制を

2008-04-20 08:50:24 | 医療

おはようございます。

今日は本などを読みながら、精神統一と集中力の増加をはかります。あと、10kmくらい走って筋トレかな?

 

先ほどコメント内に「アメリカはニコチン濃度などにも法規制がある」ことを書きました。1996年にアメリカでは「ニコチン」を「習慣性のある薬物」に指定し、規制しましたし・・・EUでは加盟国が禁煙に関する政策を採択しないと訴えられたりします。 だって、毒物なんだもの。

日本の政治家(もしくは高い地位にいる官僚)が規制をしない理由は、たぶんJTと繋がっているからでしょうけど(叩けば見つかりますよ。知り合いからの情報で、すでにルートはありそうだという事でしたけど・・・彼はそのまま追求するのかなw)。

 

僕だけじゃなくて、普通の感性のある人は「毒物であって、受診率を引き上げ癌の原因でもあるタバコを減らすのならば・・・タバコ税を大幅に上げて販売しなさい・・・と思われると思います。

僕なら1000円/パックにすれば、買わない人大勢いると思いますけど・・・・JTはそうするとタバコからの収入が減るし、国としては「長生き」する人が増えて年金払う人が増える(JTからの・・・が減るからなのかどうかは僕は知りません)からなのかな?

 

さて、そんな中、朝日新聞にこの記事が出ました

 http://www.asahi.com/life/update/0420/TKY200804190228.html

「ニコチン依存症」治療に飲み薬 効果の反面、副作用も

2008年04月20日03時30分  

たばこがやめられない「ニコチン依存症」の治療に、飲み薬タイプの新薬「チャンピックス」(一般名バレニクリン)が、保険適用になり、まもなく販売が始まる。禁煙の成功率を高める新たな選択肢に期待がかかるが、カウンセリングや再喫煙を防ぐ環境整備の重要性に変わりはない。  

東京都内の男性(60)は05年、知人に誘われたバレニクリンの臨床試験への参加を機に禁煙を決断した。1日20~30本を35年間吸い続け、起床直後の1本や仕事の合間の一服が欠かせなかった。禁煙前は、イライラをどう抑えればいいのかと不安だったが、参加してみて拍子抜けした。  「苦しさもなく、すんなりと禁煙できた。薬の効果が大きかったのだろう」と振り返る。最初の1週間で徐々に薬の量を増やし、その後11週間は朝、夜の食後に1錠ずつ服用。診察やカウンセリングも受けながら、禁煙を続けた。  

男性の臨床試験を担当した小張総合病院(千葉県野田市)の小西明美・健診センター部長は「イライラや気分の落ち込みといった離脱症状を抑えられ、もし喫煙しても満足感が得られにくいなど、作用の仕組みがこれまでと違う」と新薬を評価する。  

すでに、禁煙治療で保険適用されているニコチンパッチは、はり薬で皮膚から吸収されるニコチン量を次第に減らして禁煙につなげる。しかし、皮膚のかぶれを気にする人もいた。ニコチンガムは保険がきかない市販薬だ。  

バレニクリンが作用する仕組みは、パッチやガムとは異なる。喫煙による快感は、ニコチンが中脳にある受容体と結びつき、神経伝達物質ドーパミンを放出することでもたらされる。バレニクリンは、ニコチンより受容体に結びつきやすいため、ニコチンが受容体に結合できなくなる。一方、バレニクリンと受容体が結合すると、ニコチンの半分程度のドーパミンは放出されるため、離脱症状が抑えられるという。  

国内19施設、計515人が参加した臨床試験では12週間、1ミリグラムの錠剤を1日2回服薬した患者の禁煙率は65.4%と偽薬を26ポイントほど上回った。量が多いと成功率も上がった。実際の治療では、パッチによる禁煙治療と同じく12週間が保険の適用。当面は2週間ごとに医師の診察やカウンセリングを受ける。  

日本循環器学会などによる試算では、自己負担3割の場合、12週間の治療費はニコチンパッチで約1万2千円だが、新薬は約1万8千円と割高だ。だが、パッチで必要な開始日の完全禁煙は不要という利点がある。バレニクリンでは、1週間かけて薬の量を徐々に増やしながら、その間に徐々に喫煙本数を減らす。  

「喫煙者は離脱症状に不安を抱き、徐々に本数を減らしたいという気持ちが強い。新薬は、禁煙への自信を深める助走期間があり、心理的ハードルを下げる」と大阪府立健康科学センター健康生活推進部長の中村正和医師は話す。  

ただ、副作用には注意が必要だ。臨床試験では1ミリグラム群の患者の24%に吐き気、10%に軽い頭痛がみられた。因果関係は不明だが、米国では少数にうつ状態や自殺願望などが報告され、米食品医薬品局(FDA)が注意を促した。  海外の研究によると、禁煙補助薬を使わない場合に比べて、バレニクリンで約3倍、ニコチンパッチで約2倍、禁煙率を高める効果があった。だが「魔法の禁煙薬」は存在しないことを肝に銘じて欲しいと専門家は指摘する。  

禁煙治療では(1)禁煙の意志を維持する明確な動機(2)指導者からの適切なアドバイス(3)離脱症状を和らげる禁煙補助薬――の三つが達成率を高める。今回の臨床試験でも、開始から52週後も禁煙が継続していたのは、1ミリグラム群の患者で34.6%。偽薬との差は11ポイント余まで縮まった。ただし、服薬終了後もカウンセリングは続けた。  

苦しい離脱症状を起こすニコチン依存や、喫煙の記憶がいつまでも残る心理的な依存を自力の挑戦で乗り越えるためには、自らの喫煙パターンを知り、つらいときはアメをなめたり水を飲んだり、再喫煙の誘惑がある環境を避けるなどの工夫を積み重ねる必要がある。自力で禁煙を達成するには失敗を繰り返しながら10年かかると一般に言われるという。  

「禁煙補助薬は離脱症状をやわらげる。カウンセリングでは、つらさが続く期間を示し、次の目標をはっきりさせて不安を取り除く。並行して本人の禁煙意欲を支えている」と中村医師は話す。  新薬やパッチの処方を含む禁煙治療を保険適用で受けられるのは、禁煙外来などがある約5200施設。日本禁煙学会のウェブサイト(http://www.nosmoke55.jp/)で調べられる。保険適用には喫煙期間やニコチン依存度が一定以上などの条件がある。(林義則)

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さて、このような禁煙補助薬に関してはないよりはあったほうがよりよいであろう。

しかし、その前にいろいろやらなくてはならない事があるのではないだろうか?

 

2003年の厚労省の研究班の報告では

「血圧やコレステロール値、血糖値、肥満度、喫煙習慣、飲酒習慣など、病気につながるさまざまな要因について、それぞれ死亡率にどれだけ関係しているかを調べた。その結果、最高血圧、血糖値は平均から「1」上がるごとに、死亡率もそれぞれ0.5-0.8%、0.3%上昇。

高コレステロールや肥満度は、動脈硬化などの死亡率を押し上げる原因にはなっていたが、全体の死亡率にはほとんど影響しない

男性がたばこを1日1箱吸うと、吸わない人に比べ死亡率は34.6%上昇。毎日続けて飲酒すると、男性の死亡率は1.7%、女性は4.1%上昇」

という結果でタバコの有害性が目を引いたのだが、こういう結果を受けても何故か「メタボ健診」をするのに「たばこ対策」をしない。

 

肺がんへの影響はタールなどが原因であっても、ニコチン濃度を規制しないと(もしくはニコチンフリー)依存性は消えない

ニコチンの規制をしないと、タバコをやめられなくなる人は増え、JTは儲かる・・・一部の政治家・官僚は「早期死亡」に繋がるため(年金の払いが少なくてすむため)喜び、日本国民全体は不利益をこうむる

 

本当に健康だけを考えているのならば、これほど規制しないといけないものはないだろう・・。

 

規制すれば「闇」が増えるかもしれない。裏取引が「麻薬」など同様増えるのかもしれない。そこまでして吸いたいのならば、無理に止めないが、国民の健康を本当に考えるのならば「ニコチンの規制」「タバコ税増税+医療費へ」という政策は必要だと思う。

 

まぁ、タバコを吸うのは「本人の自由だ」といわれればそれまでなのですけど・・・国民全体の健康を思うとやらなくてはいけないと思います。

 

ニコチン新薬も良いけど、「ニコチン濃度規制」をまず行いましょう(タバコ増税はまだ言いませんw)!という意見に賛成の方、応援をよろしくお願いいたします

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