玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*我が友Mのこと

2007年01月26日 | 捨て猫の独り言

 Mとは高校以来の付き合いである。私たちは近々にリタイヤの時期を迎えるが付き合いの度合いは増すばかりだ。高校卒業以来同じ街に住んだことはない。いつも遠方からMが私を訪ねてくれた。それで私の子供達は幼い頃からMと顔見知りである。Mはその成長を見守ってきた。それぞれ所帯を持った私の子供達は今でもMおじちゃんと呼んでいる。

 Mは甲子園球場の近くに一人で住んでいる。阪神大震災の時はちょうど浴槽の中にいて、そこから這い出してみると自分の枕がタンスの下敷きになっていたという経験をしている。それ以来なんとなく風呂は電車で2駅の銭湯に通うようになった。驚いたことにエアコンはもとより夏の扇風機や冬のコタツなどが部屋にないという。一度は覗きに行きたい気もするがなかなか実現しない。日焼けして精悍な容貌で清潔感があり同級生の中では一番若く見える。最初は技術畑を歩み今は自社製品の売りこみで全国を飛び回っている。

 彼には93歳の父親がいる。介護のためかなりの頻度で大阪から鹿児島に帰る。そのついでに私の両親の所にも立ち寄ってくれている。車の免許は持たず自分の足で歩くことを心がけている。電車バスを使わずおよそ2時間ぐらい歩いて訪ねてくるのだと私の親が驚いていた。私はこれを親孝行代行と呼んでいる。

 出張のついでについ先日やって来た。 鹿児島の私の両親の様子などを聞く。今回は泊まって早朝に勝手に出て行った。彼は経済週刊誌を置き残して帰った。それには黒部発、世界シェア45%、YKK知られざる「善の経営」という20頁の特集が掲載されている。YKKは株式上場を頑なに拒み、創業家と社員と取引先で株を持つ。2代目社長は就任翌年に社名を吉田工業からYKKに変更した。彼はそのYKKに大いに興味があるという。最近になってやっとオッズとかキャピタルゲインなどの世界を知り始めた私は大いに考えさせられる。彼の忠告と受け止めよう。おぼれてはならない。

コメント (1)
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