甲子園の選手権大会3日目の第2試合は智弁和歌山と近江の対戦だった。センバツ準優勝校の智弁の高嶋監督は組み合わせが決まった直後に「やりたくない相手やった。左投手が多いし、よう打つしね」と語っていた。近江はセンバツでは3回戦で星稜に惜敗している。両校の監督は良く知る間柄だという。戦前の予想は智弁優勢が圧倒的だった。
春のセンバツで近江の多賀監督を拝見したときは、知人でオープンギャラリーの鈴木さんと良く似ているなと親しみを感じた。また日焼けなどしたこともないような、色白の貴公子のような左の林優樹投手が印象に残った。今回の夏の開会式で中尾主将の選手宣誓には好感がもてた。そこで私はブルーのユニフォームの近江を応援することになった。
甲子園の各試合では滑り出しを注視して、あとはテレビの前から離れることが多いのだが、この試合は終わりまで見届けた。4番の2本の本塁打、捕手の強肩がピンチを救い、背番号11→18→10→1の4投手のリレーで近江が7-3で勝利した。背番号4の中尾主将はベンチスタートだった。かなり小柄に見えるが身長は172㎝で大阪出身だという。
近江高校について調べてみた。琵琶湖東岸の彦根市にある私立学校だ。多賀監督は社会科教諭で副校長も兼務する。野球部部員は67名で、甲子園出場メンバー18名中11名が滋賀県出身という。スタンドの応援スタイルにも注目が集まる。余談になるが近江の地で育った歌人の河野裕子は「たっぷりと真水を抱きてしずもれる昏き器を近江と言えり」と詠んでいる。