地口行灯について調べてみた。地口の文句を配し、戯画を書き加えたもので江戸時代に流行したという。地口はしゃれで、戯画は滑稽化、風刺化して描かれた絵ということだ。4日は小平市の中央公園で13回目の「灯りまつり」があり、そのポスターに「伝統の地口行灯を蘇らせ」とあった。統一規格の行灯が公園の通路に参加団体毎にずらりと並べられる。
明るいうちに、会場を一回りしてみた。残念ながらこれといった行灯に出会うことはなかった。公民館などでは政治的中立の理由で表現が規制されたり、大学キャンパスの立て看は美観を損ねるの理由で撤去されたりする社会では無理からぬことか。権威に対する風刺の精神が無ければ、市民社会は活力を失う。おもしろい行灯を期待して待つ。
甲子園では第100回記念大会となる夏の高校野球が開幕した。その開会式のテレビ中継を見た。昨年の優勝校は埼玉の花咲徳栄だったことなどはとっくに忘れている。例年にない場面を目撃した。式の最中に給水時間が設けられてグランドで一斉に立ち飲みしている。また、夏の大会のバックネット裏席は、前売りの指定席という販売方法に今回から変った。
皇太子夫妻が参列して、皇太子があいさつした。そのあとに文部科学大臣という。「いらない、いらない、とっととうせろ!」とおもわず声が出て、すぐにテレビを切った。なんとも醜い発作的な言葉に、これは本当に自分の声かと自己嫌悪に陥った。反省してスイッチを入れると、あいさつは終わっていた。選手宣誓をした近江の中尾主将はきっと聡明な青年にちがいない。