女子テニスの大阪なおみ選手(21)が全豪オープンのシングルスで優勝して、アジア勢初の世界ランキング1位になった。今後は四大大会4冠の期待が高まる。ところで気になるのが大阪選手の国籍選択だ。いまは日米の二重国籍を持つが、日本の法律では今年10月の誕生日までにどちらかに決めることが求められている。元プレイヤーの杉山愛さんは「彼女の気持ちと決断を最大限に尊重してあげたい」とエールを送る。
どこか温泉に行こうかとぼんやり考えた。乳白色の秋田の乳頭温泉の印象は今でも強烈に残っている。どうせなら一泊でなくてのんびり二泊か三泊したいものだ。そこで年金者福祉施設等利用証を利用しようと伊豆湯河原温泉二泊を予約した。しかし数日後夕刊の広告を見て、少し悩んで伊豆をキャンセルして三月中旬の福島の「岳温泉」二泊に手続きした。泉質は酸性でホテルは郡山駅で降りて送迎バスで60分という。
つい先日の新聞の書評欄に「湯けむり行脚・池内紀の温泉全書」(山川出版社)が紹介されていた。持田叙子の書評は「湯けむり。なんといい言葉であろう。やわらかく、あたたかい。包容力と浮遊力がある。著者は湯けむり湯気湯の匂いを書くのがうまい」と始まる。その書評の中で秩父市の千賀谷鉱泉のことを取り上げていた。秩父七湯の最古の湯。ここで明治17年困民党が決起した。この湯宿で議論を重ねたと紹介している。
秩父は私のなじみの土地である。秩父事件についても、ある程度の関心があったから千賀谷鉱泉について調べてみた。おかみさん一人で切り盛りしていて、出かけていることが多く、日帰り入浴などは無人スタイルだという。写真で紹介された浴室の床は板張り浴槽はタイル張りで、浴槽も洗い場も大人二人が入ったら一杯という広さしかない。こんな鄙びた「秘湯」は一人で出かけて泊まるしかない。後継者がいないようだから訪ねるなら早いほうがよさそうだ。