玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*予期せぬ再会

2019年03月14日 | 捨て猫の独り言

 私の住む地区の駅前通りは、空き店舗が増えている。意欲的な本並べ、文化的な催し場の地下室を持つ名物書店が姿を消したり、あるいは銀行支店が二駅先の国分寺に移転して不便になった。大学生相手の古本屋、新鮮な刺身の魚屋、花屋が姿を消して久しい。最近になって改札口の近くに予想もしていなかった個人経営の駐輪場が二か所もできた。駅前通りは小学生から大学生までの登下校時に一番のにぎわいをみせる。

 地方では過疎化が進む中で、近くの農地のあちこちは、驚くほどの速さと規模で戸建て住宅が造られ、新住民が生活を始めている。毎年蕗の薹をコッソリいただいている線路わきの広大な農地が、今年は手入れの形跡もなく荒れた感じになっていた。ここも近いうちに宅地になり、来年からの蕗の薹の入手がは困難になりそうだ。格差拡大、過疎と過密が進行する現在の社会の変化はバランスを欠いていると思われる。

 鈴木さんのオープンギャラリーが閉鎖されてほぼ2年ほどになる。その約9坪ほどの狭い土地は他人に渡って更地のまま放置されている。その傍を通るたびに寂しい思いがしている。ところが今月の5日に思いがけなく鈴木さんにお会いした。私は自宅から西への2時間ウォークで金毘羅橋を折り返して帰る途中である。小川橋の近くでエナガの巣を捜していたという鈴木さんとの予期せぬ出会いだった。(玉川上水・宮の橋あたり)

 

 ギャラリー閉鎖はご子息の終末期医療のためだった。わが子を見送った後に、今度は自身が昨年10月に大きな手術を受けたという。それでも相変わらず「季節の狩人」としての今後の計画を熱く語る鈴木さんだった。自宅の周りには、蝶のための食草、蜜源を育て羽化の様子などを皆さんに見てもらおう。別棟のアトリエには蝶や小鳥の写真を屋内展示しよう。自宅の1階は全て片付けて2階で生活している。そのうち「うどん会」を開きますかと語られた。

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