なぜアメリカは日本に核兵器を使ったか。原爆投下の最大の動機はソ連に対するけん制であるという見方がある。9日未明にソ連が入る。同じ日の11時2分に長崎に原爆が投下される。なんとかしてソ連の対日参戦を頼まずに、日本をほぼアメリカ単独でノックアウトしたと印象づけられるような形で対日戦を終わらせたかった。
自民党政権は被爆国として非核三原則を打ち出しながら、防衛上、政治上のことを考え原子力の平和利用をやりつつ、ずっと核保有の考えを持ち続けている。核燃料サイクル事業はうまくいってないし、うまくいく見込みもないが、これをやめることができない。
1967年第二次佐藤内閣時代に外郭団体主催で研究会が開かれた。そこでは核爆弾を作ることは可能だが、日本の核武装は国際的に多大なマイナスで、安全保障上の効果も著しく減退するので、核武装は不可能だと結論づけている。同時期に外務省は核武装ができる能力というのは、絶対に頑張って維持するという文書を出している。
「非核三原則」と「アメリカの核の傘のもとに入っている」というのは、どう考えても矛盾。そのことを長い間ごまかしてきた。なぜかというと、核を持ったアメリカが実質的には日本を占領、支配し、その核の下で日本は考えないでいいということが続いてきた。このあと日本がアメリカの核の傘を脱して、核廃絶を全世界に表明する日が来ることを私は夢想する。