7月の半ばにキュウリは近隣に引き取ってもらうほど実った。今は畑からその姿を消し、トマトとナスがあと僅かの実りを期待されて引き抜かれずに残っている。サヤエンドウは立ち枯れて収獲ゼロで終わった。いまだにその無残な姿をさらしている。8月に入るとゴーヤのカーテンが分厚くなりつぎつぎに実をつけている。
猛暑続きで体調維持が難しい。連日、朝からエアコンがうなりをあげる。記憶も朧だが昨年はこれほどエアコンを使うことはなかったと思う。部屋に閉じ込められた不自然な生活を強いられている。気晴らしは、パリオリンピック、オオタニ、そして間もなくすると甲子園の高校野球が始まる。
京都の祇園祭りや東北の夏祭りとは比ぶべくもないが、小平市では8月3日(土)6:30∼8:30に、第19回「灯りまつり」が行われた。市内には祭礼の際に地口行灯を飾る風習があった。地口とは駄洒落のことで、たとえば「猫にこんばんわ」という駄洒落の元の言葉を考えてもらうのだ。市民の手づくりの行灯で夏の夜のひとときを幻想的な灯りに包まれてみませんかという趣向だ。
小平には街をぐるりと囲むように21㎞の自慢のグリンロードがある。それに沿う14ヵ所の公園などに3000個以上の行灯が並ぶ。各会場ごとに異なる雰囲気が楽しめる。駄洒落行灯を見かけることはほとんどない。今年はある会場で武蔵美の学生が「昔噺」をテーマに参加したという。私は8時過ぎにほろ酔い気分で近くの中央公園の会場に出かけた。屋台の焼き物の香りが立ちこめ家族連れで賑わっていた。やはり祭りは若者たちのものだとふと思った。