世界各地で起きている紛争によってやむを得ず自国を離れざるをえない難民が激増している。他にも相次ぐ異常気象や、それに伴う自然災害で住む場所を追われる難民もいる。多くの難民が押し寄せて、受け入れる国々では限界を迎えつつあると想像する。すなわち人道主義が危機に追い込まれている。
これまで地球環境問題が関心をもたれていたが、今ではウクライナ、パレスチナなどの長期化する戦争をどうしたら停戦に導けるかということに人類は悩まされている。しかし、後者はほぼ人災であり、前者に比べて当事者の決断により、なんとか停戦を実現できるのではないかと思うのだが・・・。
欧州ルポともいうべき津坂直樹著「リベラル嫌い」を読んだ。欧州各国の主要政治家に果敢にインタビューを試みている。私はその本のタイトルを見たとき、日本の若者のことかと早合点した。テーマは欧州を席巻する「反リベラリズム」現象と社会分断だった。リベラル派とは「所得の再分配」に積極的な立場といえる。
欧州各国はギリシャ危機などで見られたように積極的な財政金融政策でなく緊縮による我慢を国民に強いた。さらに移民や難民の問題が絡み、リベラル派は反移民、保護主義、自国第一主義の強い逆風にさらされる。英国のEU離脱の原因は遠くサッチャーによる民営化の旗のもと、福祉国家の概念が壊されたことに求められると指摘する政治家もいた。読後は、特に英国の政治史に興味が湧いた。
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