「不可触民と現代インド」という本を知人が貸してくれました。
中国に次ぐ世界最大の経済市場、I T産業が進んだ国といわれるインド。その繁栄から取り残され国の三分の二を占める人々が三千年の支配体制、バラモンを頂点とするカースト制社会を変革しょうとしていく過程が克明に記されています。
誰がこの国の主人公であるべきかアンベートガルたちが作った自由・平等・友愛という社会を築くために目覚めた民衆たちの姿が描かれ一気に読んでしまいました。
中でも神々を利用し根強く行き渡ってしまったカースト差別を、ブッダの教えとアンベートガルの教えによって観念に縛り付けられた人間の心を変えていき、人々に伝えることで新しい世界を作り上げていこうとする運動の過程。
又この運動が過去に受けた仕打ちへの恨みとか憎しみを煽るものではなく先住民が何故かくも長きにわたって奴隷化されてきたのかという問題を自分たちの手で解明し、真実とお互いのよりよい関係のために進めていくのが使命だ。そのために仏教の存在が重要なのだと書かれています。
そして仏教が絶対者への帰依を求める信仰の教えではなく幸せになるためにはどう生きればよいかを説いた教えであり、現実的で、実践的生き方を説いていると書かれています。
インドは本当に奥深い国だなあ~~とつくづく感じました。余談ですが、昔インドでは夫を亡くした妻は夫と一緒に焼かれるという掟があったそうです。まあ日本でも殉死とかありましたけれど焼かれるのはねえ・・・
友人曰く 「貴女 焼かれなくてよかったね!」 本当 インドに生まれていなくてよかった!!・・・
(7年ほど前に書かれている本なので現在はもっと変動しているだろうが 読むに値する本だと思った)