忘れ人の独り言

明治生まれの両親がさりげなく生きていた姿が今,私に語りかけてくる。

寒い日の粕汁

2012-02-04 | 昔語り

昔 京都の西陣で暮らしていた小学生の頃は水道管が凍ったり、ツララが見られたが、そんな時 今のように石油ストーブもなく、ホーム炬燵もなかった。部屋には少し大きめの火鉢だけ。よく辛抱できていたなあと思うが、背中に真綿をあてたり、沢山着こんでいたのだろう。

(最近手あぶり火鉢を家で使ったが案外部屋全体がふわーと温まるのを知った。きっと昔も火鉢だけでも部屋が案外温まっていたのかもしれない)

寒い日の夕ご飯にはよく湯豆腐やカス汁が出た。子供の頃は粕汁がそんなに美味しいと思わなかったが、この頃は妙に懐かしく粕汁をよく作る。

それに水菜とイリガラ(クジラの脂身)の炊いたものもよく食べた。

最近はクジラのイリガラ(本当の呼び名はコロらしい。イリガラといっていたのは煎り揚げだったのかも??)

殆ど見なくなってしまったけれど、お正月に久し振りに売ってあるのを見たら、とても高い値段だったのでびっくりした。商業捕鯨が制限されるようになって生産品が減少し価格が大きく上がったという。

粕汁は大根、人参、おあげ、ぶりなどを入れて炊き、酒粕を溶いていれるのだが体が温まって本当においしい。

 

コロは鯨の皮脂肪を鯨油で揚げたもので長時間温度調整しながら油を抜きカラッと仕上げたものだと初めて知った。