忘れ人の独り言

明治生まれの両親がさりげなく生きていた姿が今,私に語りかけてくる。

一枚の絵

2010-06-01 | 昔語り
1枚の肖像画が見つかった。私には全然覚えがない。娘に聞くと、ずっと以前に絵の上手な人に描いてもらったという。

親子4人が幸せそうに並んだ絵である。私も若くてびっくりするほど美人に描かれてある。

娘が生後44日目に急死した父親の顔など覚えている筈もなく写真を持っていって見せ、描いてもらったようだ。
 顔も知らず亡くなった父親にやっぱり思いを寄せていたのか?家族揃っての団欒にあこがれていたのかと思うと、少し胸がいっぱいになった。

随分大きくなってから下のこの娘は小学校の時に「あそこの家はお父さんがやはらへんし・・・」といって特別な目でみられたと話してくれた。その時は私に心配をかけると思って言わなかったとも。
そんなことがあったとは思いもせずに、これまで過してきたが幼い子供が受けた心の痛みにきずいてやれなかった自分が情けなく思えた。