鳥!__
『眼は口ほどに遠慮せず』
あまりづけづけ言えない口の持ち主も、そのちょっと上についている眼は遠慮なしに観察している。
「鳥がいる」とその場で言っても、相手には見つからなかっただろう。
人は、ものを見るとき、そう見たいと思うように見る。
見たくないものには、目が届かない。
見ぬふりをする素振りもいらないほど、霞むときさえある。
見ないように、見ないようにと、人の心が動かされてしまえば、目の霞みは雰囲気の霞みとなり、何かだいじなことを見損なう。
都合がよいと思っていたことが、大不都合を呼び寄せることに気付かない。