・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

止まり木

2011年05月29日 | つぶやきの壺焼

浜辺には古い木片がときどき落ちている。

雁は季節に合わせて海を渡る。木片をくわえて行って海の上でひと休みするとき、止まり木にするという話を聞いた。
もっとよい別の木を見つけたか、あるいはくわえる雁のほうがいなくなったか、止まり木が浜に残されることがある。

雁にお礼を言いながらそれを拾い集めて、風呂を沸かす。雁風呂と呼ぶらしい。

あまり大きくてはくわえるのに骨が折れるし、小さすぎては止まり木にできないし、ちょうど頃合のものを探すのも、雁さんにはひと仕事だと思う。

この木片もそうなのだろうか。
聞いても返事はもらえない。

にぎやかな、晴れやかな木端というものはあまりないが、浜の木片はとくに寂しい。