通用口にアーチが仕立ててある。
このバラは、毎年いまごろ、通る人の目を楽しませてくれているのだと思う。
心地よく思うだろうというのは、この通用口から出入りする人のことではない。
駐車場を挟んだ道からの眺め、きちっとした瓦葺と白壁の納屋、その手前の真紅のバラ、ゴテゴテと飾り立てていないから、空気も澄んで見える。
ここでやめておけばよいのに、余計なことを考える。
この通用口は、普段、人は出入りしないだろう。
通り抜けようとすればちょうど顔の前に花がある。
しかもその部分の花が目立って美しい。
こちら側の駐車場は、この家のものなのか、貸してあるのか。
○と□の看板を立てた民宿は、歩かずに調べたら、別のところにすぐ見つかった。