政治家は選挙の専門家であり、官僚は政策の専門家であるという説があった。
専門家は、自分の専門のことがらではなかなか考えを曲げない。
選挙の専門家は、選挙以外のことであれば、簡単に考えを変える自由を持っている。
選挙という制度には、強い拘束力がある。政治家はその拘束力には弱い。
官僚には選挙がないから、選挙の拘束力を受けない。受けるのは縦方向の区切りの拘束力である。
官僚が考えを曲げないのは、選挙の拘束を受けないからともいえる。
拘束力は、平衡性と相矛盾する。
専門家は平衡感覚を欠いた人と見られがちである。
それでは専門性と平衡性とは、相矛盾するのだろうか。