人種差別は悪いと言われるが、人間は、動き回る人と居座る人とに2分類できそうである。
狩猟民族、農耕民族などという分け方も見られるが、その中には例外があり、固体別に見れば、分類は民族を超えたものになる。
動き回るか居座るか、それぞれの集団の平均が、どちらかに偏ることがあるにしても、一家族の中でも、動き回るのが好きな人と居座るのが好きな人がいる。
カウボーイにも、牛を運ぶ人と牧場で働く人がいる。
物流の作業者でも、輸送車両の運転に向いた人と、基地での積み下ろしに向いた人がいる。
グローバル化を叫んで、海外に行け行けと言っても、それは動き回る人にこそ合っているので、誰もが同じようにそうしなければならないと思わせるのは、適材適所の逆で、よいことではない。
海外に進んで出る人が優れた人で、国内から踏み出さない人が劣った人という見方は一種の偏見である。
ヒトは元来、カネのようにあちこち飛び回る性格の動物ではないのだ。
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