線引きは、境界をはっきりさせることなので、合理的な措置のように思われがちだが、そうでもないことが処々方々に出現する。
たとえば、危険区域。
状況の変化で境界線が変わって、住居を二分してしまった例があるという。
家の半分は住んでもよいが、線の向こう側は立ち入り禁止。
トイレが向こう側になってしまったらどうするのだろう。
放射性物質が、線の向こう側には危険なほどあって、こちらにはないなどということがあるわけがないので、こんな線引きは不合理の標本でしかない。
調整の余地を認めない線引きが、いさかいの種にならないとも限らない。
まっすぐな線は、競技用のラインと手書き文字の練習だけでよさそうだ。
まっすぐな線が引ければ字はうまくなる | |
高宮 暉峰 | |
日本実業出版社 |