人間がむやみに短縮語を作りたがるのはなぜでしょうか。
多分、獲得慾のあらわれでしょう。
短縮語から何を獲得できるのか、それは時間です。
時間だけは、地球の回転速度が変わらない限り、どんな人にも平等に与えられています。
獲得慾は、平等ということが気に入らない人の持つ欲望です。
他の人より何でも自分が多く持ちたい、持ってどうするかはあまり考えずにとにかく多く持ちたがるのです。
ひとの分まで分捕りやすいのはまずカネですが、カネだけでもの足りなくなると、時間に目をつけます。
ほかの人の時間を欲しがっても、時間だけはぎ取るわけにはいきません。
せいぜい自分が何かしている間、ほかの人には何もさせずに待たせておくぐらいのことになります。
料理人が客を待たせておく、講習会で自分だけがぐずすずと質問を続け、ほかの人には何もさせずに待たせておく、みな身勝手な時間分捕り慾のあらわれです。
この分捕り慾は、特定の人から分捕ることだけではおさまりません。
たくさんの人から、場所を選ばず時をかまわずに時間を奪うには、言葉を縮めてしまうこと、それが短縮語の起源のようです。
言葉が縮んで、できた時間は何に使うか、心配は要りません。
意味のないおしゃべりが、すぐにをそれを埋めてくれます。
多少意味は違っても、コミュニケーションなどとカナに置きかえれば、おしゃべりも顔が立ちます。
ただおしゃべりをさせておく、客や受講者を待たせるのも結果は同じ、それで時間を分捕ったつもりになれるのが面白いところです。
TVにも同じ型の番組がたくさんあります。
TVのCMもある意味では同類です。
すべてに共通な点がひとつあって、おしゃべりに夢中になれば、人が時間を奪われたことに気づかないということです。
おっと、おしゃべりが過ぎて、標題の短縮語にしては長すぎる変な言葉の説明を忘れるところでした。
「スマートチャージ」おしゃれな請求書という奇妙な名前の販売様式を見かけたので、それがどういうものかをひとことで表そうとしたら標題のようになりました。
初期費用ゼロ⇒ゼロ・キャピタル⇒ゼロキャピ
運用費用のみ⇒ランニングコストのみ⇒ランコノミ
ただそれだけのこと、読者の時間分捕りに成功したというわけです。
ごめんなさい。