聞き込みでは損失10兆円と言われていた金額が、正式の報告では8兆円弱になるとすれば、その差は、もう通常考えられる誤差の範囲を超越しています。
10兆円というのは、年金積立金管理運用について、ある政党が、所管の厚労省年金局から聞き出して発表した金額です。
聞き出すといっても、酒場に連れ込んで酔わせてしゃべらせたのではありません。
あらためてヒアリングと称する席を設けて情報聴取をしたときに、担当官から出た金額です。
8兆円は、年金積立金管理運用独立行政法人の文書発表金額です。
10兆円が知らされたのは10月21日、8兆円の発表は11月30日、40日の間に2兆円を取り戻せたのでしょうか。
そんなはずはありません、その金額は7~9月の間に生じた過去の実績なのですから。
ヒアリングでは、聞くほうが喜びそうな金額、正式発表では、いくらなんでも2桁はひどすぎると抑えた金額、もしそうであるとしたら、どちらも嘘ということになります。
ことによると、これは誤差の範囲どころか、時を超越し、善悪も超越した、崇高な神のお告げのようなことなのかもしれません。