機器の整備員は、どんな分野でも、全員がいっさい手ぬかりなく誠心誠意仕事をするという日本の文化は、残念ながら70年がかりで妄信になり果てました。
心の集中を欠いた作業は、脇から見ているだけではそれがわかりません。
整備というだいじな作業に、心を打ち込めない何かを抱えながらでは、人の命を預かる仕事に本来就いてはならないのです。
職業の自由とか労働の権利とか人権とかは、問題の外のこととして、整備員の資質は高度に保たれなければなりません。
万一、わざわざ手抜きを仕掛けるような者が、管理の隙間から潜り込んでいたとすれば、文化がどうこうというような、のんきな話ではなくなります。
整備員と名のつく職域には、身元調査を組み込んだ、厳重な人事管理が必要です。