ゆっくり話し合えば、どんなこともいつかは賛同を得られるというのも妄信の一つです。
何がなんでも、とにかくこの人の言うことすることには反対したいと初めからきめてしまえば、話を聞いているふりはしても耳に入れていません。
何度も同じことを、違う言い方話し方で解き明かそうとしても、聞く耳を持たせない限り聞いてはもらえません。
どうしても実行しなければならないことは、どちらがよいのか迷っている人に賛成させなければ、進められません。
民主主義という名の、ときに厄介ごとの種になるならわしが、いつかどこかで邪魔をするからです。
民主主義のもとでは、ものごとは空気で決まります。
決定か否決か、その空気の要素は、判断をゆだねられた人々の心の動き方と時の微分係数に大きくかかわります。
時は作られるもの、合意の時は、待っていればやって来るものではありません。