土はすごい。大根もすごい。
自らがすごい。
粛々と土であり、大根である。
土を手にとって見る。
大根を育む意志が、どこかに感じられるだろうか。
青い葉っぱが真っ白な大根をむくむくと肥え太らせていく。
あのみずみずしくももち肌の艶と豊潤は、泥臭く荒々しい土に抱かれる。
土に大根。
日々柔らかくなる陽光を精一杯集め、秋の風に揺れる大根の芽だし葉。
来るべき大成の冬に、秘めたる、土中の格闘を軽く美しくしている。
すごいものどおしが、すごいことをしている。
人は耕し、植え付ける。すごいものがそれに答える。
人と土と大根。
人も自然の一部。
美しい風景とは、本来すごいことをすごいと素直に思える風景。
人工的な営みも、自然には無い共生の痕跡を風景に高める。
美しくない風景は、やはりどこかが間違っているのだろう。
その行為が美しいかどうかは、風景として見出される。
人は、考えるゆえに、度々間違いをおかす。
それも自然と言えば自然なんだろう。
広く大きな心か・・・。
やっぱり。土と大根はすごい。