一際高い一本の木。
ここが国有林の自然保護区内であるからには、人工の手は入っていないはず。
さすれば、この一本。己の力で生き残っているものと思われる。
一際高いということは、成長につれ、当然風当たりも強くなる。
雷だって容赦はしないであろう。
出る杭は打たれる。
しかしだ。
出ざるを得なく出ているものを風や雷はよってたかって目の敵にするわけではない。
その独高に相応なることが、試されるだけだ。
気高き独高も、卑しき独りよがりもまぜくちゃにして、目立つものを目の敵のようによってたかってたたき易いと言う点では、やっぱり人間の世は怖い。
ここはひとつ。
自由の意味を問い直す必要があるだろう。