「あれ。月様、雨が。」
「春雨じゃ。濡れてまいろう。」
月様は、武市半平太。土佐勤皇党のトップと京の芸妓の一幕。
「面白き、ことのなき世を 面白く。」
「住みなすものは、心なりけり。」
長州の風雲児。高杉晋作の心意気に答える望東尼との一幕。
何度詠んでも良き対句であります。
「君にかくあひ見ることの嬉しさもまだ覚めやらぬ夢かとぞおもう。」
「夢の世にかつまどろみて夢をまたかたるもゆめもそれがまにまに。」
貞心尼30歳、良寛和尚70の、初めての出会いの手紙の中の一幕。
「ちょいと。いって来らあ。」
「あいよ。あんた。」
船乗りと陸のご両人の一幕。
慕い慕われる風景は美しい。
艶なんていうものさえ、浮き上がる。
一人でできることは、たかが知れている。
「やっときましたぜ。」
「おお。すまないなぁ。」
なんていう間柄があって、人は力を発揮するものだろう。
男女に限らずである。