七賢のひとり、劉伶(りゅうれい)という人は「天地をわが家とし、家を衣服とする」うらやましいほど奔放な生き方をした。
酒もかなりなもので、「酒は一度に一石を呑み、五斗を迎え酒とする」 と詠まれている。
李白の「一斗詩百編」もすごいが、それよりもすこぶるうわてだ。
山の内の容堂公も、「鯨海酔候」といわれ、鯨が海の水を飲むように酒を呑んだ。
いずれおとらぬ天下の大酒呑みを遠望しつつ呑むと、自分も大きくなったような気がする。
渋く呑むのもいいし、たおやかに呑むのももちろんいいが、豪快に呑むことは、かなり気持ちのよいものだ。次の日のことは別にして。
風呂敷は広げられるだけ広げたほうが包み込むものが小さく感じられるというふうに呑んだほうがよろしかろうと思う。