(artist/Hans-Peter Feldmann)
子供には色々なものが見えるという。そして大人になるに随って見えなくなるものがあるという。
超現実的世界を全否定するつもりはないが、こんな話がある。
毎夜枕元に立つ幽霊に悩まされた男が和尚を訪ねる。和尚はその男に対し大豆を幾粒か手に握りしめさせてからこう告げる。決してこの手を開いて中を見てはならぬ。そのまま夜まですごし、幽霊が現れたらこう聞け「この手に握っているものはなにか?」すると幽霊は「大豆」と答えるだろう。そしたら「では何粒あるか?」と問え。幽霊はしばらく考えるじゃろうが、たぶんスッと消えていなくなるはずじゃ。
その夜やはり幽霊が現れたが、和尚の云われた通りのやりとりが起こり、幽霊は数を答えられずスゥ~と消えていなくなった。
次の日男は和尚にそのわけを聞くと、
「おまえさんは悩まされた挙句わしを信じて従った。その前は幽霊を信じる心がおまえさんを支配しておった。すべては自分の心が生み出すものじゃて。その証拠にの、おまえさんも知らない大豆の数は幽霊も知らんかったじゃろて」
子供には色々なものが見えるという。そして大人になるに随って見えなくなるものがあるという。
超現実的世界を全否定するつもりはないが、こんな話がある。
毎夜枕元に立つ幽霊に悩まされた男が和尚を訪ねる。和尚はその男に対し大豆を幾粒か手に握りしめさせてからこう告げる。決してこの手を開いて中を見てはならぬ。そのまま夜まですごし、幽霊が現れたらこう聞け「この手に握っているものはなにか?」すると幽霊は「大豆」と答えるだろう。そしたら「では何粒あるか?」と問え。幽霊はしばらく考えるじゃろうが、たぶんスッと消えていなくなるはずじゃ。
その夜やはり幽霊が現れたが、和尚の云われた通りのやりとりが起こり、幽霊は数を答えられずスゥ~と消えていなくなった。
次の日男は和尚にそのわけを聞くと、
「おまえさんは悩まされた挙句わしを信じて従った。その前は幽霊を信じる心がおまえさんを支配しておった。すべては自分の心が生み出すものじゃて。その証拠にの、おまえさんも知らない大豆の数は幽霊も知らんかったじゃろて」