南無煩悩大菩薩

今日是好日也

赫映姫

2018-04-30 | 意匠芸術美術音楽
(gif/The Tale of the Princess Kaguya)

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ -梁塵秘抄


(gif/The Tale of the Princess Kaguya)

石造皇子(いしつくりのみこ)、車持皇子(くらもちのみこ)、右大臣阿倍御主人(あべのみうし)、大納言大伴御行(おおとものみゆき)、中納言石上麻呂(いそのかみのまろ)はその戯れに乗った。

この御仁たち、それぞれへの姫のリクエストに応えようとする。天竺にある佛の御石の鉢はち、東海の蓬莱山にある銀の根と金の茎と白玉の実をもった木の枝一本、唐土にある火鼠の皮衣、龍の首についている五色の玉。燕の持っている子安貝一つ、というべらぼうなものである。この姫、月に帰る日が決まっているのであるが、あまりにまわりがうるさいのでしょうもなしの苦肉の策でもあった、のでしょう。

なかでも超真面目な中納言石上麻呂は、、自分で籠にいそいそ乘って、綱で高い屋の棟にひきあげさせて、燕が卵を産むところをさぐるうちに、ふと平ひらたい物をつかみあてたので、嬉うれしがって籠を降ろす合図をしたところが、下にいた人が綱をひきそこなって、綱がぷっつりと切れて落おちて眼をまわした。水を飮ませられてようやく正気になったとき、

「腰は痛むが子安貝は取とったぞ。それ見みてくれ」と言い、

皆がそれを見みると、子安貝ではなくて燕の古糞(ふるくそ)であった。中納言はそれきり腰も立たず、気病みも加わって死んでしまうという有様であった。

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん。


-桃山晴衣/ 鬼の女の子守唄
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする