今年の2月は比較的気温が高く、それほど雨も降り続けないので、バイクに乗っている方が多いです。時々、遠方から来ていただく方もいらっしゃいますが、今回は、自走で、最遠方でしたので、ご連絡があった際、ちょっと驚きました。
愛媛からフェリーで、東京まで船便でご来店です。お預かりしている時間がほとんど無いので、ご相談の上、コンディションレベルチェックパックを行うことになりました。外装を外して点検から始めます。
タイヤは、前後ブリジストンの純正です。左サイドに4桁の数字があり、写真の場合は、前2桁が製造週、後2桁が製造年です。フロントが2019年9週製造、リアが2018年36週製造です。
フロントフォークは加圧式で、現状0でしたので、規定値(1人乗)の0.4にしました。フロントの車高が上がりましたので、ヘッドライトの光軸を下げました。フロントのスプリングを交換している場合は、0.4以下にした方が良い場合もありますが、純正スプリングの場合は、0.4は入れた方が良いと思います。
キャブレターを外した形跡があるので、その際に、アクセルワイヤーのステーを曲げてしまったようです。修正しました。Vブーストジョイントのゴムですが、バンド(ストッパーが無い)を締めすぎると大体切れています。現状エアは吸っていないので、今回は、そのままです。
ASウオタニ製のキットが装着されています。設定は標準のままです。
プラグコードとキャップはNGK製ですが、防水性が無いです。スパークプラグは、NGK製イリジウムですが、キャブレターが正常ではないので、焼け方がバラバラです。
現状、クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等は無いようです。
エアクリーナーは、K&N製で、若干の汚れがありました。ダイヤフラムですが、回転は無かったのですが、2番(左前)の動きが速すぎたので、点検です。
他店でキャブレターを分解した際に、ダイヤフラムを噛み込み隙間が空いていました。隙間が空いていると圧力差が発生しないので、ダイヤフラムがほぼ動きません。ブリーザーパイプは抜けていたので、差し込みました。
インジケーターが一部点灯不良ですが、確認するとLED球で、接触不良とLED球不良でした。ガソリンタンクは、新車時の部品ではなく、他店で新品に交換されています。
純正液式バッテリーで、電圧と容量は平気そうです。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は、平気そうです。
前後キャリパーで、パッド残量はありますが、清掃した方が良いです。
フルードですが、前後キャリパーは、まだ新しそうですが、クラッチは交換した方が良いです。レリーズからの漏れはないようです。ステアリングダンパーが装着されていましたが、いったん外して各部増し締めを行いました。また、ステアリングダンパーの本体の取付けが左側過ぎ、ストロークが無かったので、位置を右にずらして、切った際にハンドルストッパーに当たる位置でも問題無いようにしました。
最終チェックと試乗です。とりあえず、時間が無かったので、できる範囲で、車両を正常に戻すようにしましたが、キャブレター本体が過去に分解されており、今回は、正常には戻しきれず、回転が少し落ち着かないですが、機能的には、なんとか4気筒作動するようにしました。無事納車になりましたが、愛媛まで、自走でツーリングということなので、無事故、無違反、無故障で何も起こらないことを祈ってお渡ししました。
2020.02.24 作業担当 ヤダ(矢田)