ヤマハ専門に、30年間2輪業界に在籍、主にVmaxの整備中心です。意見感想は、個人主観です。連絡先はカテゴリに有ります。
PrivateFactory ベイカーズストリート V-max Garagename Right-arm ライトアーム


★2014年2月20日付で、VMG大原は、退職いたしました。

★勤務先:Right-arm 
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 作業担当 ヤダ マサオ(矢田 正夫)

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最近、90年代の車両の作業が多いです。さすがに製造後20~30年ほどたっている車両なので、配線関係が劣化しています。配線が固いので、修理の際に移動させる場合は、注意するか酷い場合は、配線を温めて柔らかくしてから移動させています。劣化している配線で、冷えている状態で動かすと被膜が割れる場合もあります。

  

個人売買で購入され、先日、緊急に、後期型レギュレーター交換及び配線修理を行った車両で、クーラント漏れが発生したので、今回、コンディションレベルチェックパックと水漏れ修理でお預かりです。外装を外して点検から始めます。

  

現時点で、エンジンオイル混入は無いようですが、ラジエター下のオンオフバルブ部とサーモスタット部からクーラントが漏れています。

  

  

  

マフラーは、輸出用ノーマル(メッキ)ですが、フロント側エキパイが錆び始めており、右側のエキパイカバーが一部無いです。過去にフルエキゾーストが着いていたのか、センター下側のマフラーステーが外されています。また、リア側のエキパイ周りのボルトも後付けです。

  

ガソリンタンクは、内部の錆は無さそうですが、後下外側が錆びています。

  

フロントフォークのオイルシールは、交換されています。

  

フロントフォークスプリングは、オーリンズ製に交換されているようですが、トップキャップが錆びているので、フォークオイルは、しばらく交換していないと思われます。エア圧が0でしたので、とりあえず規定値の0.4にしてみました。

  

リアサスは、ヤマハ純正(XJR用)オーリンズですが、オイルが漏れているのと右側のリザーブタンクが、キャリパー取付ボルトに当たっています。

  

 

ブレーキパッドの残量は、フロント&リアともありますが、清掃した方が良いと思います。また、リアブレーキキャリパーは、パッドの押え板が前後逆で、ブレーキローターの回転方向と逆側にパッドを押しているので、ブレーキをかけた瞬間にパッドの裏板(鉄製)がキャリパー(アルミ製)に当たり音が出ることと、当たった場所がへこみます。

 

ギアケースは、国内仕様用とのことですが、前期型の部品なので、エンジンブレーキを多用した場合、ドライブシャフトの受け側のボルトが折れる可能性があるので、負荷のかかる状態でのエンジンブレーキは、避けた方が良いです。また、リアサスからオイルが垂れていますが、ドレンボルトもオイルが滲んでいます。

  

リアフェンダーを外した際にフレーム部のグロメットが無くなっていますが、フェンダーが割れるので、追加しました。作業時に取付ボルト&ナット類の上下が違いましたので、入れ替えました。

  

エアクリーナーは、純正タイプの社外品でしたが、フィルター部の作りが違いますので、純正の方がお勧めです。

  

ダイヤフラムですが、1番3番4番が回転していました。分解はしていませんでしたが、負圧用の穴の位置が違うとアクセルを開けた時のダイヤフラムの作動量に差が出ますので、エンジン回転の上下がスムースでは無くなります。とりあえず、位置のみ修正しました。

  

スパークプラグは、NGK製JR8Cでしたが、燃焼にバラつきが出ていました。プラグキャップは、NGK製でした。純正に比べて、防水性が無いことと、抵抗値が違います。

  

ガソリンフィルターは、錆びていたので、交換時期不明です。また、バッテリー交換時にリアバンクのプラグコードをコイルから外すと接触不良の原因になり、写真のように腐食していることが多いです。(今回左右腐食有)修正しました。

 

バッテリーは、純正タイプの液式でしたので、電圧と容量を測定しました。まだ、使用は可能なようです。

  

エンジン始動前と始動後の電圧です。(ヘッドライト消灯時)液式は、MFタイプよりエンジン始動前の電圧が低いです。

前後フェンダーが国内仕様の前期型に交換されています。トップカバーの色(ブラック2)と異なることと、テールランプの中のボディ色が違います。(輸出用:黒、国内仕様用:白)

 

エアクリーナーボックスとブリーザーホースの接続が外れていましたので、差し込んでおきました。外れているとブローバイガスがエアクリーナー内部に戻らず、大気解放になります。

  

クラッチフルードは劣化していましたので、交換時期不明です。また、エンジン側のクラッチレリーズから滲んでいます。滲みですので、進行は遅いですが、フルードが減るとマスター部ピストン側でエアを噛みますので、クラッチが切れなくなります。

  

フロント&リアブレーキのフルードです。フロントは交換したようですが、フルード吹上防止の板の位置が逆です。リア側はしばらく交換していないようです。

 

各部点検後、車体増し締めとキャブレター点検&調整及び同調を行い、現状確認のため試乗です。クーラント漏れは、オンオフバルブ部とサーモスタット周辺部品は要交換です。クラッチフルードの滲みは、緊急性はありませんが、このままだとクラッチが切れなくなる状況がおきます。バッテリーについては、液式で、バッテリー液がにじみ出ている状況なので、周辺部の腐食の恐れがあります。液式バッテリーの新品もしくは、MFタイプの新品バッテリーへの交換をお勧めします。とりあえず、オーナーにご連絡致します。

2020.02.22 作業担当 ヤダ(矢田)

追記

  

追加で、水漏れ修理です。クーラントの排出ですが、ドレンボルトを外しただけだとシリンダーとVバンク間のセパレーター部分のクーラントが抜けないので、シリンダー横のゴム栓を抜きます。写真のように劣化していた場合、かなり長期間交換していないようです。

  

クーラントを全量抜き、水漏れ修理です。サーモスタット周辺のパイプとOリングを交換しました。

 

最終チェックと試乗です。水が漏れなくなったので、作業終了ですが、走行するとリアサスからオイルが漏れます。納車可能です。よろしくお願いいたします。

2020.02.26 作業担当 ヤダ(矢田)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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