Bluetooth Low Energy(BLE)のことで、低電力化を図った近距離無線通信規格です。
よく知られているBluetoothはIEEE 802.15.1として標準化されています。Bluetoothは、バージョン1.0が1999年7月にリリースされ、その後、バージョン1.1(2001年2月)、1.2(2003年11月)、2.0(2004年10月)、2.1(2007年7月)、3.0(2009年4月)、4.0(2009年12月)、4.1(2013年4月)、4.2(2014年12月)とアップされ、現在に至っていますが、BLEは、バージョン4.0の一部として提供されたものです。
従来のBluetoothが信号の中断が許されない音声通信の用途を狙いに開発されたのに対し、BLEはセンサーやタグとの低電力の間欠的通信の用途を狙って仕様化されています。
通信速度は1Mbpsと従来の規格と同程度で、通信距離を短くして送信電力を節約したり、転送パケットのサイズを小さくしたりしています。
通信距離は30m程度まで可能なようですが、電力消費をできるだけ少なくする様にして通常は2~5m程度で利用されます。
通信形態として、(1)ブロードキャスト型、(2)コネクション型の2種があります。
(1)はブロードキャスタ(アドバタイザー)が通信範囲内の(複数の)オブザーバ(スキャナー)へアドバタイズパケットを定期的に送信し、これをスキャンしたスキャナーがデータを受信するもので、1:多の片方向通信です。コネクションなしで動作します。例えば、スマホなど(スキャナー)がビーコン端末(アドバタイザ)から識別データをコネクション設定なしに受信し、関連情報をスマホに表示したりできます。
一方、(2)はセントラル(スマホ、タブレットなど)がペリフェラル(センサーデバイスなど)からのアドバタイズパケットをスキャンした時、適当なタイミングでそのペリフェラルと1:1のコネクションを確立し、コネクション状態ではセントラルがマスター、ペリフェラルがスレーブとなって、定期的に双方向のデータ通信を行います。複数のペリフェラルとのコネクションを設定し、ネットワークへ参加させることが可能です。例えば、スマホが、センサーデバイスとつながって、その後コネクションを確立してセンサーデータの受信をしたりする場合が想定されます。
BLEは、モノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)のラストメートルの接続手段として注目されています。