Indoor MEssaging Systemの頭文字をとったもので、屋内外の測位を「シームレス」に可能にするシステムです。JAXA(The Japan Aerospace Exploration Agency 、宇宙航空研究開発機構)が民間企業と協力して発案した日本独自の技術です。
IMESは、GPSと同じメッセージ構造を使用し、衛星軌道データの代わりに送信機からその設置場所のデータ(位置データ)を送るようになっています。このため、ユーザは、同じ携帯端末を使用して(屋外の)GPSによる位置データと(屋内の)IMESによる位置データとをシームレスに利用できるようになります。
IMESはメインターゲットを歩行者としており、スマートフォンなどのモバイル機器への普及が考慮されていますが、大きな特徴として、以下の3点があります。
(1)測距しない:送受信機間の距離測定はせず位置情報をメッセージとしてユーザへ直接送信します。
(2)微弱電波を利用:微弱電波の為、その電波の送受信に対し特別な免許などは必要ありません。
(3)厳格な運用規定で運用:IMES送信機の運用についてはJAXAが運用管理規程を定義しています。
上記(1)の特徴より、以下のような利点が得られます。
・送信機間の時刻同期が不要なため送信機のコストが軽減される。
・1台の送信機との交信で位置情報を得ることができる。
・距離の測定をしないのでマルチパスの影響が少ない。
スマートフォンの普及に伴い、IMESの位置データを利用するサービスが普及していくものと考えられます。