揃ひたる葱の切つ先三畝ほど
ユリ科の多年草。
中国西部またはシベリア・アルタイル原産。
独特の香りと辛みがあり、多くの料理に利用され、薬味としても欠かせない。
普通、関東では深谷葱に代表される白い部分を食べる根深葱、関西では九条葱に代表される葉葱が好まれる。
葱畑があった。
葱の尖った先端が揃っていて、三畝ほどあった。
拉麺に刻みし葱を盛りにけり
揃ひたる葱の切つ先三畝ほど
ユリ科の多年草。
中国西部またはシベリア・アルタイル原産。
独特の香りと辛みがあり、多くの料理に利用され、薬味としても欠かせない。
普通、関東では深谷葱に代表される白い部分を食べる根深葱、関西では九条葱に代表される葉葱が好まれる。
葱畑があった。
葱の尖った先端が揃っていて、三畝ほどあった。
拉麺に刻みし葱を盛りにけり
一人行く道を照らして冬日かな
寒気の中で輝く冬の太陽、またはその日差しをいう。
南に傾いた太陽は夏のような暑さはなく、暖かさを感じる。
公園で遊ぶ子供たちや日向ぼっこの老人などにも、冬の日はあまねく及ぶ。
「冬日影」はその日差しのことをいう。
一人で歩いていた。
その道を冬日はずっと照らしていた。
夕兆す川面眩しや冬日影
朴落葉散らばつてをり川堤
朴はモクレン科の落葉高木。
日本特産。
山地に自生し、庭木にもする。
葉は有柄で三〇センチほどの楕円をなし、芳香がある。
冬には茶色に枯れ、一枚一枚ばさっと落ちる
葉は古くは食べ物を包むのに使われた。
川堤の道を歩いていると、朴落葉が沢山散らばっていた。
山にいるような自然の景であった。
佇めばまた音のして朴落葉
川沿ひの夕日明りや花八つ手
ウコギ科の常緑低木。
暖地の海岸近くの山林に自生するが、多くは庭木に植えられる。
葉が七つ~八つに裂け、掌状であることからその名があり、「天狗の羽団扇」とも呼ばれる。
十一月頃、花茎が伸びて枝分かれし、その頂に白色の小さな花を毬状につける。
翌年の四~五月に黒い球形の実を結ぶ。
川沿いに八手の花が咲いていた。
夕日が川に当たった反射で、八手が明るくなっていた。
花八つ手穏やかな日を賜りて
植木屋に残してもらひ実南天
南天はメギ科ナンテン属の常緑低木。
晩秋から冬にかけて小さな丸い実が赤く熟す。
そのため、秋の季語とする歳時記もあるが、赤く熟するのは冬になってからなので、冬の季語とするのが妥当であろう。
古くから難を転ずる木として庭木に植えられ、正月の生け花などにも用いられる。
植木屋に庭木の剪定を依頼した。
その時、南天の実を残すようにお願いしたところ、今になって赤く熟し、見られるようになった。
郵便を手渡しに受け実南天