先日、身内から下のメールが届いた。
『中国では日本人の置かれた環境が
あまり良くないような情報があるけれどどうなのだ。
日本人が中国人、国家を好いていない方が強いかもしれない。
ただ、金儲け屋さんにとっては「中国様々」で、卑屈な格好をして営業しているようだけれど。
そんなことをしていても早々に日本人から支持されなくなる。
中国は統治のための機構が成熟していないから、一部の搾取階級にコントロールされて13億4千万の人々が動く。 嫌われている所に出かけて行って、何でそんなに金儲けしないといけないのか、はなはだ不愉快になる。
松下電器のようにさっさと引き上げればいいのに!
経済規模が小さくなって人口も少なくなって行くのだから、日本人本来の個性でもある勤勉さを全面に打ち出しコツコツと生きていけばいい。日本人の勤勉さは日本の地形に根ざしているのかもしれない、とフッと思う。』(太字ブルーはーと)
読んだときは(中国はそんなにひどくないのに…)と悲しかった。
しかし、実は、昨年9月後半から10月にかけての「反日の嵐」の時期、
私もほぼ同様な気持ちになっていたのだった。
(もう、中国との貿易関係はこれで終わりかも知れない。日本企業が40年来友好的に地元に溶け込もうと、額に汗して努力してきたことへの答えがこれか…)
(ここで日本語を教えているのは江西省政府が招聘したからであって、何も私がペコペコ頼みこんでのことではない。危害を加えられたり、侮辱されたりしたら直ちにここを引き揚げよう)と宿舎に閉じこもって悔しく思ったものだ。
江西省最大の日本語スピーチコンテスト「江鈴杯スピーチコンテスト」は江西いすゞ自動車、キャノンを始め、複数の日系企業の援助で毎年開催され、江西省内の諸大学で日本語を学ぶ学生たちの大いなる励みになっていた。それも中止だ。
学生たちも愛国心と日本語学習の狭間で動揺していた。
産経webニュースは、鬼の首でも取ったかの如く、
「中国から手を引いて、もっと友好的な他のアジア・アフリカ・ヨーロッパ・アメリカとのビジネスを!」と煽り立てていた(今でもそうだ)。
そんな私の気持ちを冷静にしてくれたのは、
産経ニュースでも、日本国内の「愛国者」の中国非難の声でもない。
宿舎管理人のミズ劉、日本語学科の朱小紅老師、厳新平老師など4人の中国人同僚を始め、江西財経大学の職員・学生・卒業生の、「何が何でも日本人老師を守る!」という力強い言葉と実行だった。
ブログで何回も書いたが、
・ミズ劉(『劉おばさん』と学生は呼ぶ)が、
「もし、変な奴がこの宿舎に来たら、私とミズ吴がビシバシ殴って
撃退してやる。大丈夫、大丈夫!」と励ましてくれたこと、
「これ(にんにくの芽)食べる?人参はどう?」
と自分の休息日なのに私のために野菜を持ってきて宿舎入口に立ち、
ずっと帰りを待っていてくれたこと、
・日本語学科教師のリーダー小紅老師が、私の身の安全のためにタクシーを手配し、自分たちが警護人としてローテーションを組んで同乗したり、学生たちにも協力を指示し保護体制を徹底してくれたりしたこと、
・卒業生たちが心配して電話やメールをくれたこと、
・財大の大学院に進学した楼晨潔さん(前回の江鈴杯スピーチコンテスト優勝者)が、3日に1回電話で「先生、卵はまだありますか。何が欲しいですか。」と電話してくれ、買い物をしてきてくれたこと、
・私がキャンパスを歩いていると知らない学生が、
「先生のことは、日本語学科の先輩から聞いています。みんな先生を愛しています。頑張って!」と声をかけてくれたこと…等々。
思い出すと今でも胸が熱くなる。
これらはごく一部の例だ。
さらに言えば、これは私だけの例外的なものではなく、
私の知る限りでも、中国駐在日本人教師の多くが体験したことである。
私たちは子どものケンカをするべきではない。
中国国内で反日暴動に参加した人たちを多めに百万人と見積もっても、
13億人の人口のうちの約0.00077にしかならない。
ひとくくりに「中国(人)は…」とは言えないのだ。
「金儲け屋さんにとっては中国様々で、卑屈な格好をして営業」云々についても一言ある。
日本のメディアはここでも一面だけを強調しているように思える。
昨年十月にダイヤモンド・オンラインが伝えたある中小企業の経営者の言葉を、多くの日本人は目にする機会があっただろうか。
『それでも踏みとどまるある日本人経営者の本音』
日本人経営者A氏が、中国との決別を「本気で考えている」ことは前述したが、「なかなか最終的な踏ん切りがつかない」とも打ち明ける。A氏はその理由を「中国人従業員たちが気がかりだ」と語る。
たった30人のメンバーだが、そこには家族同然の感情がある。彼らはいつも目を輝かせて技術指導を受け、「社長、社長」と慕ってくる。そんな従業員を経営者は食事に連れて行ったり、上海の自宅に招いたりもする。
反日デモについても朝礼で取り上げた。「君たちはどう思う?」――。こうした非常時でも、タブーなく互いの考え方を言い合える関係を、7年かけて築き上げた。
毎年秋には恒例の社員旅行がある。今年は反日デモが落ち着いた10月に、浙江省の海沿いの観光地に連れて行った。従業員は四川省や安徽省、江西省など内陸からの出身者が多く、彼らにとっては生まれて初めて見る海だったという。彼らは「もう二度と海を見ることもないだろうから」と言って、秋の海にはしゃいで飛び込んで行った。
「なんだかんだ言っても、俺には彼らがかわいくてたまらない。そんな中国人従業員を捨てられるものか」とAさんはいう。
反日デモで揺れる日本企業だが、Aさんは社員旅行でそんな思いを強くしたようだ。
DIAMOND ONLINE- CHINA REPORT「中国は今」【第110回】 2012年10月19日 姫田小夏
http://diamond.jp/articles/-/26537?page=4
気心が知れれば中国人も日本人もない。これは、どこの国の誰もが実感できることだ。もし、本当に生の人間同士の交流さえあれば…。(続く)
『中国では日本人の置かれた環境が
あまり良くないような情報があるけれどどうなのだ。
日本人が中国人、国家を好いていない方が強いかもしれない。
ただ、金儲け屋さんにとっては「中国様々」で、卑屈な格好をして営業しているようだけれど。
そんなことをしていても早々に日本人から支持されなくなる。
中国は統治のための機構が成熟していないから、一部の搾取階級にコントロールされて13億4千万の人々が動く。 嫌われている所に出かけて行って、何でそんなに金儲けしないといけないのか、はなはだ不愉快になる。
松下電器のようにさっさと引き上げればいいのに!
経済規模が小さくなって人口も少なくなって行くのだから、日本人本来の個性でもある勤勉さを全面に打ち出しコツコツと生きていけばいい。日本人の勤勉さは日本の地形に根ざしているのかもしれない、とフッと思う。』(太字ブルーはーと)
読んだときは(中国はそんなにひどくないのに…)と悲しかった。
しかし、実は、昨年9月後半から10月にかけての「反日の嵐」の時期、
私もほぼ同様な気持ちになっていたのだった。
(もう、中国との貿易関係はこれで終わりかも知れない。日本企業が40年来友好的に地元に溶け込もうと、額に汗して努力してきたことへの答えがこれか…)
(ここで日本語を教えているのは江西省政府が招聘したからであって、何も私がペコペコ頼みこんでのことではない。危害を加えられたり、侮辱されたりしたら直ちにここを引き揚げよう)と宿舎に閉じこもって悔しく思ったものだ。
江西省最大の日本語スピーチコンテスト「江鈴杯スピーチコンテスト」は江西いすゞ自動車、キャノンを始め、複数の日系企業の援助で毎年開催され、江西省内の諸大学で日本語を学ぶ学生たちの大いなる励みになっていた。それも中止だ。
学生たちも愛国心と日本語学習の狭間で動揺していた。
産経webニュースは、鬼の首でも取ったかの如く、
「中国から手を引いて、もっと友好的な他のアジア・アフリカ・ヨーロッパ・アメリカとのビジネスを!」と煽り立てていた(今でもそうだ)。
そんな私の気持ちを冷静にしてくれたのは、
産経ニュースでも、日本国内の「愛国者」の中国非難の声でもない。
宿舎管理人のミズ劉、日本語学科の朱小紅老師、厳新平老師など4人の中国人同僚を始め、江西財経大学の職員・学生・卒業生の、「何が何でも日本人老師を守る!」という力強い言葉と実行だった。
ブログで何回も書いたが、
・ミズ劉(『劉おばさん』と学生は呼ぶ)が、
「もし、変な奴がこの宿舎に来たら、私とミズ吴がビシバシ殴って
撃退してやる。大丈夫、大丈夫!」と励ましてくれたこと、
「これ(にんにくの芽)食べる?人参はどう?」
と自分の休息日なのに私のために野菜を持ってきて宿舎入口に立ち、
ずっと帰りを待っていてくれたこと、
・日本語学科教師のリーダー小紅老師が、私の身の安全のためにタクシーを手配し、自分たちが警護人としてローテーションを組んで同乗したり、学生たちにも協力を指示し保護体制を徹底してくれたりしたこと、
・卒業生たちが心配して電話やメールをくれたこと、
・財大の大学院に進学した楼晨潔さん(前回の江鈴杯スピーチコンテスト優勝者)が、3日に1回電話で「先生、卵はまだありますか。何が欲しいですか。」と電話してくれ、買い物をしてきてくれたこと、
・私がキャンパスを歩いていると知らない学生が、
「先生のことは、日本語学科の先輩から聞いています。みんな先生を愛しています。頑張って!」と声をかけてくれたこと…等々。
思い出すと今でも胸が熱くなる。
これらはごく一部の例だ。
さらに言えば、これは私だけの例外的なものではなく、
私の知る限りでも、中国駐在日本人教師の多くが体験したことである。
私たちは子どものケンカをするべきではない。
中国国内で反日暴動に参加した人たちを多めに百万人と見積もっても、
13億人の人口のうちの約0.00077にしかならない。
ひとくくりに「中国(人)は…」とは言えないのだ。
「金儲け屋さんにとっては中国様々で、卑屈な格好をして営業」云々についても一言ある。
日本のメディアはここでも一面だけを強調しているように思える。
昨年十月にダイヤモンド・オンラインが伝えたある中小企業の経営者の言葉を、多くの日本人は目にする機会があっただろうか。
『それでも踏みとどまるある日本人経営者の本音』
日本人経営者A氏が、中国との決別を「本気で考えている」ことは前述したが、「なかなか最終的な踏ん切りがつかない」とも打ち明ける。A氏はその理由を「中国人従業員たちが気がかりだ」と語る。
たった30人のメンバーだが、そこには家族同然の感情がある。彼らはいつも目を輝かせて技術指導を受け、「社長、社長」と慕ってくる。そんな従業員を経営者は食事に連れて行ったり、上海の自宅に招いたりもする。
反日デモについても朝礼で取り上げた。「君たちはどう思う?」――。こうした非常時でも、タブーなく互いの考え方を言い合える関係を、7年かけて築き上げた。
毎年秋には恒例の社員旅行がある。今年は反日デモが落ち着いた10月に、浙江省の海沿いの観光地に連れて行った。従業員は四川省や安徽省、江西省など内陸からの出身者が多く、彼らにとっては生まれて初めて見る海だったという。彼らは「もう二度と海を見ることもないだろうから」と言って、秋の海にはしゃいで飛び込んで行った。
「なんだかんだ言っても、俺には彼らがかわいくてたまらない。そんな中国人従業員を捨てられるものか」とAさんはいう。
反日デモで揺れる日本企業だが、Aさんは社員旅行でそんな思いを強くしたようだ。
DIAMOND ONLINE- CHINA REPORT「中国は今」【第110回】 2012年10月19日 姫田小夏
http://diamond.jp/articles/-/26537?page=4
気心が知れれば中国人も日本人もない。これは、どこの国の誰もが実感できることだ。もし、本当に生の人間同士の交流さえあれば…。(続く)