毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「中国若者たちの生の声」 2013年2月26日(火) No.574

2013-02-26 18:24:18 | 中国事情
これは昨年5月、「中国人の日本語作文コンクール」(日本僑報社主催)に
2年生・3年生のほぼ全員が応募したうちの一作品である。
入選した作品は『中国人がいつも大声で喋るのはなんでなのか?』
(日本僑報社;段躍中編)という本になり、日本国内の書店で買うことができるが、
落選した中にも紹介したい作品がいくつもある。
我がブログでは、まず、他で日の目を見ることもないであろう作品から紹介したい。
これを書いた李思銘さんは、半年後の中日関係が更に悪化した際、
「尖閣諸島の問題は政府間の問題、政治家の陰謀だ」
「こんなに関係が悪くても、日本国民を信じて留学に行く学生がいる。
中日両国民は互いに敵意を持たず、相互理解と信頼を深めて行くべきだ。」
と書いていた。


「日中両国民が親近感を高めるための、私ならではの提言」 李思銘

去年、南昌で交通ボランティアをしたとき、通行人のおじさんが
「どの大学で勉強しているの?」と聞いてきました。
「江西財経大学です」と答えると、
「いい大学だね。専門は何?」
「えっと、日本語です」
「はあ、日本語?なんで、そんな関係が悪い国の言葉を?将来の見通しはちょっと暗いね。」
「あ、あの・・・」説明しようとしたけど、結局無駄だと思ってやめました。
多くの中国人は日本語学科の学生が理解できません。
私は何回もこうした失望感を味わいました。
日中両国は、今年はもう国交正常化40年になりますが、
日中関係はずっと緊張関係が続いています。
誰でも周りの人々と仲間になって楽しく暮らしたいと望んでいるのに、
その希望はなかなか実現しないのが現実です。
一体、どうすれば日中両国の親近感を高めることができるでしょう。

私の家の隣は王さんの家です。
小さい頃、いつも
「お母さん、隣の王さんにまたいじめられたよ。王さんなんか大嫌い!」
エーンエーンと泣きながら、母に言い付けたものです。
でも、今、
「お母さん、今度の休みに王さんと一緒に帰るよ。」
こんな仲になっています。
実は、日中両国は私と王さんの二つの家庭のようではありませんか。
この二つの家庭の子供たちを仲良くさせる方法は何だと思いますか。
お互いの家族への好意度が上がるのは、特に親の力が大きいですよね。
子供の私達はよく両親の言うことを聞くので、
両国政府は両国が友好発展する方向に、はっきりと舵取りをするべきです。
親は相互交流、相互学習の機会を創って、
子供を一绪にイベントやボランティア活動に参加させ、
近所の子同士のように遊びに行かせるべきです。
触れ合う機会さえあれば、お互いに理解し合い、仲間になれます。
また、青年は国の柱であり、希望なので、特に青少年の交流を重視すべきです。
さらに、両国国民の日常生活、例えば、酒の文化、茶の文化、年間行事の文化などの
身近な民間交流なら気軽にできます。
小さい力でも、両国の文化を深く理解し、
民間レベルで国民の相互理解と信頼を深めていきたいものです。

近年、中国の四川大地震や東日本大震災など、両国とも酷い災害がありましたが、
ここで貴重な教訓があります。
相手の災難時に心から支援すれば、支援された国民は決して忘れません。
大変な時期にこそ、真の友情は育つと言えます。
両国民の親近感は、こうしたお互いのボランティア活動を通して、必ず高められると思います。

お互いの親近感が削がれる原因の一つは歴史問題です。
中国人の大部分は知っているのに対して、
多くの日本人は当時の歴史を学校で詳しく学んでいないので、認めたくないですね。
中国の小学五年生の女の子が日本政府へ出した手紙のことをご存知ですか。
内容は次のようでした。
『日中両国は隣国として、仲よく和し敬いあうべきです。
日本は中国に侵入したことがあるが、中国人は当時の侵略軍を恨んでいるにすぎない。
普通の日本人民は無辜の民だと信じています。』
実は、全て既に過ぎ去ったことなので、たいしたものではありません。
認めればいいだけですね。
それで、両国とも敏感な問題について落ち着いて冷静に検討した方がいいと思います。

メディアの役目も重要です。
メディアを通じて得た情報は私たちにとって大きな影響力を持ちます。
日中両国のメディアは、日中関係のために友好的で客観的な情報を提供しなければなりません。
私は日本語学科の学生として、
心から日中両国の友好関係が一層深まることを願っています。
だから、さらに日本語と日本文化を勉強します。
簡単ではありませんが、私達は一生、中日の架け橋を作り続けます。
千里の道も足下から。必ず日中両国民は友人になれると信じています。
                   
コメント (4)
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