毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「卒業生たちの恋愛」 2013年2月23日(土) No.571

2013-02-23 20:13:27 | 中国事情
先日は劉思ていさんが、広東省広州市の大学院に戻る途中で立ち寄り、
今日は北京外交学院の黄斯麗さんが、
ボーイフレンド(「恋人」と彼女は言う)とともに来てくれ、
さらにもう一人の卒業生ウシュクイさんもやって来た。
さあて、いよいよ、脳みそが教師モードに切り替えられてきたぞ。
やはり目の前に学生がいないことには、ピリッとしない。
そして彼女たちの話は、いつ聞いても興味深い。

今回の黄斯麗さんの休暇は、
降って湧いた見合い話でかなりドラマチックだったようだ。
中国の婚活状況の一端を垣間見た思いがして、非常に面白かった。
彼女は約1年半付き合っている「恋人」がいるのだが、
今年の春節、彼女が江西省萍郷の故郷に帰ったとき、
村人のひとりが見合い話を持ってきた。
彼女が「私には恋人がいます。」
と言うのもお構いなく、何度もやってきて、
しまいに相手方の両親と本人まで来たという。
その相手の家はとんでもない大金持ちで、
今は北京に住んでいるが、元々故郷は萍郷近辺だったので、
お嫁さんは何が何でも地元の子をもらいたいらしい。
仲人役の村人はたいへん熱心にその金持ちの子息との結婚を勧める。
というのも、その縁談がまとまったら
仲人役にも相当のお礼金が支払われるのだそうだ。
つまり、仲人はビジネスなのだ。

一般的に中国の女性たちは結婚に対してドライだと言われている。
「車を持っていない人とは結婚しない。」
「持ち家がない人とは結婚しない。」
「カッコよくない人とは結婚しない。」
という言葉が常識のように語られる。
ある女子学生は、
「自分は良くても、親が納得できませんから無理なんです。」
と、親のせいにする。
結婚もビジネスっぽい。
一体、若き女性たちは相手に恋焦がれるという心理になることはないのだろうか。
これを聞くと、黄さんは
「そういうことはありませんね。相手は私に恋焦がれているようですけど。」
と、いたって冷静。
ウシュクイさんも「恋人」がいるが、
全然ドキドキワクワクは感じないという。
それでほんとに「恋人」だと言えるのだろうか。
さらに電話で会話に参加した北京の範夢しょうさんは、
「彼は大連に行きたいし、私は北京のそばがいいです。
お互いに満足できませんから、彼とは無理ですね。」
と、無理を押してでも付き合う気は毛頭ない。
この人たち、ホンモノの恋愛をしたことがないんじゃないか。

さて、黄さんの見合いの話だが、
彼女はその大金持ちの息子との縁談を断った。
お父さんは未練がましかったが、お母さんは、
「斯麗の恋人はいい子だ。私はあの子が気に入っているよ。」
と、金持ちじゃないばかりか、
この間会社をやめて無職になってしまった彼を支持したという。
彼女が断った理由は、
「彼がいるのに、急に別の人に変えることはできない。」
という律儀なものだ。
ワクワクドキドキはしていなくても、
付き合ってきた一年半は、二人の信頼の実績なのだなあ。
断った黄斯麗さんに、
(エライ!それでなくちゃ!)と心で褒めちぎったブルーはーとであった。

今日、次々と学生たちがキャンパスに戻ってきた。
一気に活気づいてきた財大蛟橋キャンパス。
さあて、授業の準備しなきゃ。






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