毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「休んでもエエで、大阪の先生たち」 2013年10月29日(火)No.785

2013-10-29 21:59:49 | 教育
ここ数年来、冬季・夏季休暇には大阪に帰り、
友人たちと会ってペチャクチャ喋るのだが、
普段元気な皆が、
日本社会のこと、学校のこと(学校の教員が多いので)などに話題が及ぶと、
雰囲気が変わる。
怒りと戸惑い、そして疲れがどっと噴出するのである。
ある人など
「大阪の街で、『ハシモト』なんて呼び捨てしたらアカンで。後ろから刺されるで。」
とまで(ジョークで)言う。
あの人の強権をもってすれば、モンスター・ペアレンツなんか怖くない…?
イヤイヤ、どうも強権の矛先はもっぱら内向きで、
モンスターの方向には向いていないようなのだ。


橋下市長の強力な政治主導で今春任用スタートした公募校長の評判は、
仲間内ですこぶる悪い。
だいたい、応募者928人の中から採用された民間校長11人中、
6人が何らかの不適格者であると公的にみなされているという。
例えば、
・セクハラ行為を繰り返し、減給処分
・3か月でさっさと退職
・虚偽アンケートを保護者に配り、厳重注意
といった具合だ。

他にも、
ある校長は、女性教職員6人に面談で
「なんで子ども作らへんの?」「結婚せえへんの?」と問い、
セクハラを指摘されて職員会議で謝罪した。
別の校長は教頭に土下座して謝らせ(半沢直樹の真似?)、
別の時にはふざけて生徒を川に落とした(けがはなかった)。
さらに、別の校長は無断で(出張や休暇の手続きを取らずに)
計3回、職場を離脱した。市外に長時間出かけたこともあった。

厳しい審査の末に、選び抜かれた人たちがこの様だ。
よほど変な人たちばかりが928人も応募したとは考えにくい。
選んだ人の基準が変なのだ。
誰が選んだかと言えば、橋下徹市長である。

現在、現場の教員たちはとことん疲れている。
うつ病などにかかって休む人は一般企業の数倍に及び、
病気休暇を取る者の60%以上が精神疾患だという。
病んだ社会の縮図のようなところ、
それが今の大阪の学校だ。
先生たちは、無理せんと、どんどん休暇取って休んでほしい。
為政者の強権に振り回され、ぼろ雑巾のようになってからでは遅い。
確か、どこかの学校の校長先生が朝会で子供たちにこう言っていた。

「いのち いちばん、
 にこにこ にばん、
 さんばん 何でもさっさとしよう」


(橋下大阪市長について言えば、「維新」の勢いに陰りが見えてきた。
中国に出稼ぎに来ているとは言え、一応大阪市民の一人として、
希望の光が微かに差し込んできた思いである。)


参考ブログ:内田樹の研究室(2013.09.20)「公募校長」の資質について
コメント
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