一昨日、大阪のおばちゃんと言われたくないフミちゃんと神戸に行った。
元自衛官の泥憲和(どろ・のりかず)さんの出版記念講演会に出かけたのだ。
金曜日午後6時の元町通は人通りも少なく、店頭に並んだクリスマス商品が、
一層わびしさを感じさせるようなちょっぴり寒い夕方だった。
こういう街の姿を見ても、アベノミクスが成功しているということには同感できない。
さて、元自衛官の話だ。
泥憲和さんは1954年生まれ。
姫路出身で、15歳の時、中学卒業と同時に陸上自衛隊に入った。
家の経済事情による選択だった。
説明書によれば、
・1969年少年工科学校(現在、陸上自衛隊高等工科学校)
・その後ホーク地対空ミサイル部隊に所属
除隊して1978年から工場経営
といった内容の経歴だった。
泥さんのお話はひと言で言うと、1から10まで非常に面白かった。
話が具体的で、自衛隊内の雰囲気をリアルに感じられるのだ。
話の一部を紹介すると……。
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*まず、入ってすぐに思ったのは(騙された)ということ。
朝6時に起きて7時までは自由であるかのように説明されていたが、
実際は「ま稽古」というのがあって、朝から晩までラッパに追われ、
ずっと走り回っていた。
*布団に角をつけて畳まなければ叱られるが、
きちんと力を入れて畳めば古いマットなので丸くなり、適当に角をつけるようにした。
昔「軍隊は要領よく、ごまかしてカッコつけるのを旨とすべし」という言葉があったが、
自衛隊も同じだ。
*半年ぐらいで洗脳された。
当時巷ではピンキーとキラーズとか内山田弘とクールファイブとか
流行っていたが、私たちは「水前寺清子軍歌を唄う」などを聞いて、
「良い歌だなあ」と感動したりしていた。
*しかし、授業中に「先生、私たちは反戦歌を唄ってはダメですか」
と質問した者がいた。先生は「例えばどんな歌だ?」と聞き返し、
その質問者は『坊や大きくならないで』とか『戦争を知らない子ども達』を挙げた。
先生は「それならいいんじゃないか。『自衛隊に入ろう』はやめた方がいいが」
と答えたという。
*ある授業で教官は、
「いいか、自衛隊は日本最大の反戦団体なんだ。
日本には憲法九条があって、絶対自分から戦争を仕掛けないという決まりがある。
しかし、どこかの国が日本を侵略しないとも限らない。
その侵略の抑止力になるのが自衛隊だ。
従って、日本の平和は憲法九条と自衛隊が守っているのだ」
と語ったという。泥さんはこの教官の話に影響を受けたのだろう。
彼は自衛隊合憲論者だ。
*イラクのサマワでなぜ自衛隊が地域住民に慕われ、
「自衛隊、帰らないで」コールが沸き起こったか。
それは、自衛隊が絶対に戦わない部隊であることを具体的に示したからである。
①他国の軍隊の制服は砂漠色の迷彩色で目立たないのに対し、
日本の自衛隊は砂漠の中で非常に目立つ緑色に日の丸の赤だった。
これはわざとだ。(戦いに来たのではない)というアピールだ。
②他の軍隊はどんな距離でも住民に決して背を向けなかったが、
自衛隊はわざと背を向けて作業をした。(あなた方を信頼しているよ)という合図だ。
③銃の持ち方も他国と違った。他国の軍隊は常に45°に構えて持つが、
自衛隊は完全に銃口を下に向けていた。(撃たないよ)というアピールだ。
④日本に戻る前、自衛隊は鯉のぼりを揚げたいとイラクの地元民に申し出た。
偶像崇拝に当たるので本来なら許されないことだが、
日本の鯉のぼりは、子どもの日に空高く揚げられる。
子どもは国民みんなの宝物だ。
空を泳ぐ鯉のぼりのように、イラクの子どもたちが伸びやかに成長することを願って
ぜひ揚げさせてほしい、と説明したところ、許可が下り、鯉のぼりは高く泳いだ。
そうした「決して戦わない。ただ復興の手伝いに来たのだ」というアピールは
地元イラクの人々に届いた。
地元民による「自衛隊帰らないでデモ」があったが、他国の軍隊ではありえない。
⑤しかし、熾烈な体験は帰国後28名もの自殺者を出す。
誰が好んで紛争地に行きたいか。
自衛隊員も人情がある。普通の人々だ。
ただ上官から命令されたら従うしかないということだ。
今は右傾化の流れが強く、田母神ような人物が出てきたら、
それに影響される者も当然出てくるという状況だ。
*最後に、安倍晋三の話は70%がウソである。
①安倍がいかに中国に対する日本国民のボヤーッとした警戒感を演出しているか。
②従軍慰安婦についても、安倍は(ブッシュ大統領に)謝罪したのに、
そんなことは一切言っていないと長くしらを切っていたが、
国会での辻本清美氏からの質問で証拠を突きつけられ、とうとう認めた。
e.t.c.・・・・・・。
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これ以上は長くなるので、あとは本を読んでくださいね。
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