たかが布団、されど布団。
私は短気で、すぐに腹を立てます。
8月末、菏澤学院外国人教師宿舎の最初の夜、
Mr.張がシーツやカバーをせっせとセットしてくれたので、
その親切に私は感激すらしていました。
布団から何かしら臭気が漂うものの、2週間後に敷き布団のシーツを剥ぐまで、
その汚れを詳細に確認していませんでした。
詳細とは前にも書いたように、全面垢まみれ、染みだらけ、
所によっては虫の蛹の抜け殻付きの敷布団です。
私は猛然と腹が立ってきました。
(ちょっと、私はナニかい、この大学が雇った奴隷かい。
人をバカにするのもいい加減にせんか!)と。
しかし、その後、(ひょっとしてこの地域の人たちの生活が貧しくて、
みんながこんな布団で暮らしているのかも知れない)と思い直し、授業に出かける朝、
あちこちに干してある布団の汚れをジロジロとチェックしてみたのです。
その結果、私の使っている布団と同等かそれ以上に汚れているものはありませんでした。
再び、私の心は怒りに燃えました。
国慶節休みに部屋の大掃除をした際、布団の汚れ、壊れた洗濯機のホース、
洗面台のパイプ等々、バチバチとカメラに収め、
給料日前にMr.張に添付ファイル付メールで送ったのです。
サラリーは現金をオフィスでMr.張から手渡しされるので、
その時に新しいクリーンなマットレスを買ってくれるように言うための資料です。
手違いがあって、メールは別の人に送られてしまいましたが(^_^;)、
私は口頭でとにかく我慢できない汚さであることを訴えました。
その結果、先日新しい掛布団だけ買ってもらったのです。
中国では、一般的にベッドのマットの上に敷布団は使わないという彼の説明は、
北京の大学院に進学した文毓さんが「先生、それは嘘です。使いますよ。」
と教えてくれて、私の怒りは再再度燃え上がり、
(もうこんな学校、一年ぽっきりで辞めてやる!)と決意しました。
任期が終わるまで、汚い敷布団にはシーツを被せて、
汚れを見ない様にして暮らそうとも決めました。
だってね、もし自前で買ってごらんなさい。
その理不尽さに、また、腹わた煮えくり返るでしょ。
今日、日曜日の午後でした。
突然、Mr.張がまた私の部屋をノックし、
下の写真の、全く敷布団ぽくない物を
「これはあなた用のマットレスだ」と言って置いていったのです。
(ピンク色のが汚い敷布団をカバーしているシーツ。
その上のペラペラのがマットレスだそうです)。
まあ、ね、私の思うマットレスからは、かなりかけ離れていますけど、
今回の布団闘争はこれくらいにしておこうと、私は思いました。
一応、私の方の勝利であるということで。
付録として、このベッドのマットの中味をご紹介しましょう。
中には椰棕というのが圧縮されて詰まっており、カチカチに固いんです。
椰棕って椰子かなんかですかね。
このマットの表面はとてもきれいです。
なぜなら、この部屋の先住民は、何故か買ったまま、即ち、
ビニールで覆われた状態で使用していたからです。
私が即座にビニールを剥いだのは言うまでもありません。
何もかもがトンチンカンなこの部屋の布団状況ですが、
今夜から、こういう雰囲気で寝ることになります。
なんだか落ち着かない色や模様です。
しかし、もう、そんなこと言っている場合じゃありません。