4年前の夏、この大学に赴任した私が
宿舎に代々伝わる寝具(笑)に出迎えられた時の衝撃は
忘れようったって忘れられるものではありません。
江西省南昌市の前任校では、
毎年新しい超高級布団セットが支給されていたので
そのつもりで来た私は、着くなり外事処のMr.張に
「Why do I have to use these toooooo dirty things!!オエ~ッ!」
と、叫んだものでした。
(それからずっと文句の言いっぱなしでもう4年過ぎたわ)……。
その時、Mr.張は私の要求に部分的に応じて
掛け布団、掛け布団カバー1枚、枕カバー2枚、シーツ1枚を
新調してくれましたが、
裏側に虫が卵を産み、何人もの先任教師たちの体から出た水分による
染みがこびり付いた敷布団は、おそらく高いからでしょうが、
代わりにペラペラの小さい掛け布団ぽいものを
支給してくれただけでした。
節約家の私はお金をかけず、
あるものを清潔にする方法=洗濯することにしました。
敷布団も洗いました。
この毛布を初めてシャワーのお湯で洗った時、
もの凄い汚水が流れ出て
排水口近くには辺野古の赤土土砂みたいなのが堆積し、
(これを人間がかぶって寝てたのか)と呆然としたものです。
ラーゲリとか強制収容所に入れられた囚人みたいな気持ちでした。
私の前にこの部屋はKという日本人教師が使っていたので、
怒りは当然、Kにも向かいました。
その後、年に一度、毛布を使う季節が来る前に洗っています。
今年で5回目です。
実はこの毛布洗いは、かなりの重労働なんです。
①はじめは問題ありません。
乾いて軽いダブルサイズの毛布をシャワー室に軽々と運び、
適当に畳んでタイルに置きます。
②シャワーのお湯で十分ぬらして洗剤を塗布し、足で踏んで洗います。
滑らないようにすること、全ての面を踏むことに留意し、
20分ぐらいかけて洗います。
水を含んだ重い毛布を何度もひっくり返すので、
ここで腰が痛くなり、顔中汗が流れますが辛抱我慢。
③すすぎも丹念にして、また丁寧に足で踏んで脱水します。
排水口付近には1年分の汚れが溜まってきます。
まあ、初めて洗った時に比べれば、ないに等しい程度の土埃です。
④洗った後、洗濯物を干すところに移動させるのですが、
毛布は水の重みで乾いている時の10倍重いので、畳んで桶に入れ、
引き摺って移動させます。
⑤洗濯室に椅子をセットします。
⑥このように椅子にかけ、
水がボタボタ落ちるのを桶でとったり、モップで拭いたりしながら
そのうち水滴が出なくなり、乾くのを待つのです。
1時間弱の仕事でした。
ふう、やれやれ。明後日には乾くでしょう。